出版社内容情報
犬と彼女。よく似たふたり――
イングランド南部の村で生まれた由緒正しきコッカー・スパニエルのフラッシュは、著名な女性詩人エリザベス・バレットへの贈り物として、ロンドンへやってきた。病弱でひきこもりがちな主人の家で、やんちゃで自由を愛する犬フラッシュは少しずつ都会の生活になじんでいくが、やがてエリザベスの前にひとりの男が現れる。年下の詩人ロバート・ブラウニングとの恋愛、家庭における父親の支配、突如降りかかった犬泥棒事件とスラム街訪問、イタリアへの駆け落ち……。犬の目を通して、19世紀英国の詩人エリザベス・バレット・ブラウニングの日常と冒険を温かいユーモアと時に辛辣なウィットをこめて描いた、モダニズム作家ウルフの愛すべき小品。「犬好きによって書かれた本というより、むしろ犬になりたいと思う人によって書かれた本」。実姉ヴァネッサ・ベルの挿絵を収録。
内容説明
コッカー・スパニエルのフラッシュは、著名な女性詩人エリザベス・バレットへの贈り物として、ロンドンへやってきた。病弱でひきこもりがちな主人の家でフラッシュは都会の生活になじんでいく。そこで目にした主人エリザベスの恋愛、父親の抑圧、犬泥棒とスラム街訪問、イタリアへの駆け落ち…。犬の目を通して詩人エリザベス・ブラウニングの人生を描く、「犬好きによって書かれた本というより、むしろ犬になりたいと思う人によって書かれた本」。
著者等紹介
ウルフ,ヴァージニア[ウルフ,ヴァージニア] [Woolf,Virginia]
1882年ロンドンに生まれる。父親は著名な文芸批評家レズリー・スティーヴン。父親の教育と知的環境のもと早くから文学への関心を深め、1904年から書評やエッセイを新聞に寄稿し始める。後に“ブルームズベリー・グループ”と呼ばれる作家・芸術家・批評家たちのサークルに加わり、その一員で批評家のレナード・ウルフと結婚。1915年、第一長篇『船出』を発表。1917年、レナードと共にホガース出版社を興す。『夜と昼』(19)、『ジェイコブの部屋』(20)の後、“意識の流れ”の手法を用いた傑作『ダロウェイ夫人』(25)、『燈台へ』(27)、『波』(31)で先鋭的なモダニズム小説家として高い評価を得た。1941年、『幕間』(没後出版)の完成原稿を残して神経衰弱のため入水自殺
出淵敬子[イズブチケイコ]
1937年東京生まれ。1961年日本女子大学英文学科卒業。1968年コロンビア大学大学院修士課程修了。1970年東京大学大学院博士課程満期退了。1972年より日本女子大学文学部で教え、2006年より同名誉教授。イギリス文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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