出版社内容情報
時は大学紛争が各地で相次ぎ、ウーマンリブ運動も始まった1969年、英米2人の中年の大学教授が交換教授としてそのポストを取り換えるが、異国では様々な悲喜劇が彼らを待ち受けていた。遂には互いの妻をも《交換》する破目になるその結末は? 2つの文学賞に輝くコミック・ノヴェルの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
76
2016年750冊め。【209-2/G1000】60年代末を舞台にし、ベトナム戦争下の難しいキャンパスライフを描くところにこの作品のおもしろさがある。プロットはイソップの寓話『田舎のネズミと町のネズミ』か。シュールな笑いを楽しめたけれど、そっけない終わり方だ。2016/09/21
→0!P!
3
変な小説である。運命の入れ替わった2人の教授の話かと思いきや、映画と比較して小説の限界を開示して作者は立ち去る。書簡体、新聞記事、戯曲の脚本、映画の脚本とあらゆる形式をなぞってたどり着いた先に、フィリップの読んだ本に書かれている第三類型の通り、意味のない結末を体験させる。四人の男女と共に置き去りにされた読者が新たな作者になって引き継げとでも言うつもりなのか...。2023/12/29
meetontheledge
1
単純にお話が面白い。4人の関係がどうなるのか最後まで楽しめる。小説形式、書簡形式、記事、劇と形式を変えながら進むのが新鮮。ラストの作者に見透かされているようなところはニヤニヤさせられる。北村薫の『朝霧』で紹介されていたので読んでみました。2021/03/24
ディプロドクス
1
こんなに軽妙な小説とは知らなかった。そっけない終わり方が好き。 2014/05/08
Lian
1
所々笑えるところはあるんだが、この作品に込められた意味の一割も汲み取れてない気がしてモヤモヤする2010/12/22