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物語論―プロップからエーコまで

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  • サイズ 新書判/ページ数 170,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560058732
  • NDC分類 901
  • Cコード C1290

内容説明

魔法昔話や小説をはじめ、新聞記事、広告、映画、漫画、子どもの作文まで…さまざまな物語を、科学的に分析する。ウラジミール・プロップが起源となり、ロラン・バルトを経てウンベルト・エーコに継承される「知的読解術」の実例を紹介し、作家をめざす人にも役立つ、文芸評論のための基礎知識。

目次

序 プロップ以降の物語論
第1章 物語とは何か
第2章 フォルマリスムの遺産
第3章 語りの秩序と休止
第4章 物語の記号論
第5章 テクストの構造と物語の言表作用

著者等紹介

末松寿[スエマツヒサシ]
1939年生。九州大学大学院修士課程修了(フランス文学)。1970年、パリ大学博士(哲学)。2003年4月、九州大学名誉教授

佐藤正年[サトウマサトシ]
1948年生。広島大学大学院博士課程中退(フランス文学)。熊本学園大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

9
言語学者による物語論。テクストとして文学作品を取ることはあまりせず、むしろ小学生の作文や昔話などの短い文章を使って説明する。日本人読者からすると、矢印で色々と図式化したりしているところがなぜそんなに重要と考えられるのか、面白味がイマイチ伝わらないような気もする。2016/08/06

Ecriture

8
プロップ、ブレモン、グレマスらの物語モデルは少々張り切ったアリストテレスぐらいにしか思えないのだけど、著者もそういう指摘はしている。ただし、どうやっても同位体・神話素・ステレオタイプ・紋切り型を読み込むようにしか読書はできないところがあるので、批判だけしているわけにはいかない。どう崩していくにしても基本的なモデルを確認しておくことが重要だというのはフィリップ・アモンの言う通り。サルトルのアメリカ文学論、ポー『一つの詩の生成』、クンデラ『小説の技法』、エーコ『薔薇の名前』を読まないとなぁと思わせられた。2012/05/30

ヴェルナーの日記

8
物語論には、大きく分けて2つに分類でき、1つは内容の構造を研究するものと、表現(言説)の形式を研究するロシア・フォルマリズムだが、本書では幅広く両方とも扱っていて作者の自論を紹介しているが、範囲が広すぎて、いささかまとまりに欠ける嫌いがあって、深く掘り下げができていない。さりとて入門書として専門用語が多くて取っ付き難く説明不足である。要するに中途半端な印象を持った。2011/12/07

NICK

5
大学でジュネットとかやるらしいので参考に読んでみた。構造主義の典型というか、図式的思考というか、とにかく理系脳が必要な分野と思った。それもあって最後の方は流し読みになってしまったが、大塚英志的物語論くらいしか知らない身にとって新たに知ることもあった。2010/04/24

shostakovich

5
「『物語』とは何か」を通奏低音に、フォルマリズム以降の近代テキスト論の流れを俯瞰する一冊。ただし、良くも悪くも「それだけ」の意味合いしか持たない内容で、訳の悪さも手伝って、大学でこの分野をこれから勉強していきたい学生が、レファレンス用のサブテクストとして利用する域を出ていないことを、読み始める前に肝に銘じておく必要があるでしょう。従って、AMAZONの紹介記事なある「作家をめざす人にも役立つ」という記述は問題ありかも。2004/04/30

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