出版社内容情報
1910~20・年代にかけてオポヤズ(詩的言語研究会)を中心に展開され、のちの構造主義や記号学に多大な影響を及ぼしたロシア・フォルマリズム。文学作品を自立した言語世界として捉え、表現方法と構造から読み解くことを提唱する、この文学運動の誕生、理論、そして死と再生を解く概説書。
内容説明
1910~20年代にかけてオポヤズ(詩的言語研究会)を中心に展開され、のちの構造主義や記号学に多大な影響を及ぼしたロシア・フォルマリズム。文学作品を自立した言語世界として捉え、表現方法と構造から読み解くことを提唱するこの文学運動の誕生、理論、そして死と再生を説く概説書。
目次
第1章 「詩的言語」
第2章 「手法」と散文の理論
第3章 詩と「構成」という概念
第4章 「異化」と文学史
第5章 フォルマリズム批判
第6章 詩学と社会学
第7章 フォルマリズムの死と再生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
ロシア・フォルマリズム。この文芸理論はロシアの文芸批評サークル『オポヤズ』が中心となった。とりわけヴィクトル・シクロフスキーは〈異化〉を唱え、詩的言語か否か区別した。しかし、トロツキーが理論を表層的に捉え、ロシア・フォルマリズムは誤解されていく。 本書ではオポヤズの誕生から終焉をたどりながら、ロシア・フォルマリズムの理論を見ていく。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51525184.html2022/07/03
景
2
異化という考えや文学を要素からなるものとして見る見方にはある種の感銘を受けました。後半に行くにつれ私には理解できなかったのですが、ロシア・フォルマリズムの考えは理想的過ぎる、非現実的な面があったのだなと思いました。ロシア・アヴァンギャルドや構造主義等についての知識を更につけ再度挑みたいです2013/12/21
ちょっかん
1
構造主義とも関係の深い理論であるため、手に取った。100ページちょっとの薄い本ではあるが、なかなか読みごたえのある内容であった。20世紀初めにロシアで発足した詩的言語研究会オポヤズが中心となって形作られた理論のフォルマリズムであるが、その実、柔軟で多様性に富んだものであることが本書を通して伺える。詩と散文の差異の探求をはじめとして、内容と形式の区別やモチーフとシェジュートの関係などを提起する。とりわけ異化に関しては、プラハ学派の自動化、現実化理論の関係性を感じさせた。2018/08/14
熊野籾粉
1
きっと、この本を読んだことによって、フォルマリズム関連の次の本を読むのが多少楽になるのだろう。2013/07/15
真塚なつき(マンガ以外)
1
うまくまとまっているということはわかったが理解が追いつかなかった。フォルマリズムは詩の理論と解されがちだけど、ちゃんと物語も取り扱っていたと知れて、その点は多いに心強い。半年後にまた読み直す。2010/06/04