出版社内容情報
人間と宇宙の関連を、気の遠くなる観察と想像力のかぎりを尽くして構築した占星術の世界は、近代科学の前史のみならず、今日の西欧文明隆盛のさなかにも脈々と流れ続けている。本書はその不思議な世界へ一科学者の立場から視線を投じ、理論と歴史を検証しつつ、そこに孕む擬態と誤謬を指摘する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akios
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すごく真っ当な批判。ところどころでついつい興奮して嫌味炸裂してるのがおもしろい。占星術はおたのしみではあろうがやっぱり科学ではないな。初っ端ののルール設定がすでに恣意的なものであるのだし。2016/12/06
星のソムリエ
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今まで読んだ(天文学・科学という立場の)占星術のとしては、もっとも面白かったかも。というのも、徹底的に攻撃しているから。こうした本はもっとあっても良いのに、占星術師からは「営業妨害」と訴えられてしまうのかな?この著者の他の本は、石田五郎先生が翻訳されているんですね! そっちも読まねば(笑)2015/05/09
moti
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創作のためのネタ本として読んだ。非常に真面目かつフェアに占星術を科学の立場からぶちのめすべく書かれた本。1951年の本なのでそういった問題意識があった時代だったのだろうか。文章にストレートな敵意がにじみ出ていて面白い。第一章と第二章に占星術の基礎知識・教義がまとまっているところがわかりやすく役に立った。個人的には、占星術の教義の根幹と思われる照応関係を科学の教義である因果関係や道具としての帰納法(統計)と比較して論じたりして欲しかったがそういったことは書いてなかった。2012/11/14
ラウリスタ~
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パスカルの授業の参考資料として調べ物。1654年の日食+土星との合+それがしし座のもと という事件が占星術的にどう捉えられたのかについて調べる。しかし、今はすごい、1654年8月12日9時53分にパリから見た天体位置が分かるんだから。 この本に関しては前半は面白い。占星術(というより古い天文学)の勉強。後半はまさかの天文学を信じるな!っていう主張とその理由。誰に向けていいたいのかいまいち分からなかったが、70年代フランスでは社会問題だったの?ドメネクも占星術好きだったな2010/10/31