目次
四月の一例
おとなになったら
夏の青虫
金魚の町
麻里恵
頭
植えてみたいと思った
店
開花
履く〔ほか〕
著者等紹介
蜂飼耳[ハチカイミミ]
1974年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。著書、詩集『いまにもうるおっていく陣地』(紫陽社、第五回中原中也賞)など
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感想・レビュー
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踊る猫
31
処女エッセイ集だというが、この段階で既に蜂飼耳は完成していたのかな、と失礼なことを考えてしまった。それくらいスキがなく巧いエッセイ集だ。逆に言えば達者過ぎるせいでこちらにしつこく余韻を残さないきらいがある(堀江敏幸にそのあたりでは似ていると思う)。本をこよなく愛する書き手が書いた、賢いエッセイ集だと思わされる。蜂飼耳の視点はあくまでミクロ/細部に向けられる。大上段に構えるところがなく、日常の些事や書かれた書物の一節を引いて色々と思考は巡らされる。このエッセイ集、そろそろ白水Uブックスにならないものだろうか2019/01/24
メタボン
21
☆☆☆★ 再読。ほとんどのエッセイについて覚えていなかったということは、読んでいたときはその感性に気持ち良く身を浸していたが、自分の実感としては残っていなかったということなのかもしれない。その中でも印象的なエッセイは、「四月の一列」「地蔵」「いそいでめくる」「おわら風の盆」。2018/09/25
メタボン
14
☆☆☆ 瞬間の風景や心情を鮮やかな言葉で掬い取る感性はこの人独特のもの。この人の言葉はいつも追いかけていたい。2013/02/03
ぱせり
13
感性豊かな詩人の言葉ですが、ちっともふわふわしていなくて、率直でごまかしがない。ぼーっと読んでいると足もとをすくわれるような気がします。その気の抜けなさがおもしろい。2010/01/16
きゅー
10
彼女の他のエッセイが良かったので、この一冊を手にしたけれど、あまり強い印象を受けなかった。言葉が滑らかすぎて、衒いを感じた。俊英が、己が俊英であることを自覚しているイメージ。文章にひっかかりがなく、物足りなかった。2020/11/11