感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ27
43
フォークナーのガッツリ レトリック、2段組…いやぁ、忍耐としか言いようもない時間。読書耽溺人には好みだろうけど、私は疲弊だけで投げ出したくなった。最後2割の叙述は散文詩とも言える秀逸な文体、其処から甦れた。WW1が集結した時のアメリカ南部 ミシシッピ。ヨクナパトーファ・サーガの鉱脈に鶴嘴が当たったとも言える作品。南部貴族、僅かな知的人間…大半はレベルの低い農工商人と黒人。ヤングベイヤードはロスジェネの象徴とも言うような退廃した人物に描かれている。滅びるものの美しさなんてと思うのは私位か…濃い陰影の背後に広2024/03/20
fseigojp
22
ヨクナパトーファ・サーガの起点となる作品 最晩年の村・町・館三部作はいずれまた。。。。。2017/02/20
Tonex
3
アメリカ南部の名門サートリス家の没落を描くフォークナーの長編第3作。『響きと怒り』のような実験的な文体ではないのに読みにくく、数頁で挫折しそうになる。よくわからないまま読み進めると登場人物が増えてますますわけがわからなくなる。そもそも同姓同名の人物が多すぎ。サートリス家の男はベイヤードとジョンしかいないので、ベイヤード・サートリスが3人、ジョン・サートリスも3人(予定も含めると4人?)出てくる。→コメント欄へ続く2015/08/01
つだしょ
3
1)戦争で台無しになるのが血筋のサートリス家の物語。物語の中心、主人公として妥当なのはおそらく(ヤング)ベイヤード。彼は戦闘機のパイロット。戦場で同じパイロットの弟が目の前で撃墜されるという壮絶な体験[p234]をする。それが彼を苦しめ、周りの人間を振り回し、果ては短い生涯を閉じさせることになる(PTSD?)。フォークナーの陰鬱だが、美しい作品の出発点となる作品であるらしい[※解説p349]。ダラダラと長く(曖昧なストーリーライン?)、人物が浅いか。2013/02/23