ヴィーナスを開く―裸体、夢、残酷

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  • サイズ B6判/ページ数 159,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560038864
  • NDC分類 723.37
  • Cコード C0071

出版社内容情報

「ヌード」の名作《ヴィーナスの誕生》はなぜ「裸体」ではないのか?《ナスタージョ物語》で女の身体が切開される意味は? フィレンツェ・ルネサンスの本質に迫る卓抜な美術批評。 【編集者よりひとこと】 《ヴィーナスの誕生》のヌードは美しい。でも、甘美なだけじゃない。本書はエロスの豊饒さの、まさに内奥を裂開し、わが寝ぼけ眼も見開かせたのだ。ヴィーナスの髪、波頭、草木……確かに、この絵の細部に目を凝らしてみると、なんか変だ。ボッティチェッリが生きたフィレンツェ・ルネサンスは15世紀末、その終末の不安を、今は垣間見る思いがする。《ナスタージョ物語》の分析も圧巻!

内容説明

新たな美術史の到達点!フロイト、サド、バタイユを通じて、ボッティチェッリの名作「ヴィーナスの誕生」「ナスタージョ物語」を分析し、エロスの豊饒さに向けた開放と、タナトスの残酷さによる裂開へと導く。

目次

理想の裸体―メディチ家のヴィーナス
不純なる裸体―貞潔と恐怖のあいだ
罪深き裸体―「女を避けて、生きる」
残酷な裸体―「死そのものが、祝祭に加わっていた」
心的な裸体―刃のごとき魅惑
開かれた裸体―医師たちのヴィーナス

著者等紹介

宮下志朗[ミヤシタシロウ]
1947年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。フランス・ルネサンスの文学と社会、書物の文化史

森元庸介[モリモトヨウスケ]
1976年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。フランス地域文化研究、近世美学史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

6
ヴィーナスは美しい。その美しさは、表面だけしか見せないところから来る。美しい表面は、実のところ、糞袋、あるいはソーセージの皮に他ならない。バタイユはその美しい表面を切り開く、サドもそうだった。一見そういったこととは無縁なボッティチェリの、ヴィーナスに、そのタナトスをみる。2013/04/02

思弁的プリキュア

4
いや、面白すぎて草。旅行の合間ながら貪るように読んでしまった2020/02/15

ロロ

1
人は服を着ている。服には社会性がある。例えばロココのスカートの襞はクラスを表している(布を大量に使える)。脱いだ裸には社会性がない。誰もが同じで、美醜はクラスと相関ではなく、若いほど美しく次第に劣化する。けれど寵姫が王様を取り込めるように力があるので、造船技術を武器にした商人たちが古い神ヴィーナスとして讃えた。けれど美しい裸は攻撃欲求を生む。裸の内部は醜いがドレスの襞に似ている。身体は個人であり、個人には教育や遺伝というクラスがあるとな。何が結論か分からないが私が感じたのはそんなこと。

Meroe

1
「芸術作品」としての「ヌード」とされてきたボッティチェリのヴィーナスを「裸体」として考察する。とても現代思想ちっくで読みにくい。。要再読。2011/08/22

tamioar

0
ウフィッツィでボッティチェッリを観なければ。2016/07/19

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