出版社内容情報
この演劇論は危険な魅力に満ちている。ベケットの『勝負の終わり』と比較分析されると『リア王』はもはや悲劇としての価値を失い、グロテスクな劇に過ぎない。著者はシェイクスピア劇の中に現代の不条理演劇との関連を見い出し、シェイクスピアとわれわれの同時代性を見事に結びつけている。
内容説明
大胆な解釈で展開する画期的なシェイスクピア論。
目次
1 悲劇(王たち;世紀半ばの『ハムレット』;『トロイラスとクレシダ』―驚異的にして現代的な人々;『マクベス』―死に毒された人々;『オセロー』の2つの逆説;『リア王』―シェイクスピアの『勝負の終わり』;ローマをタイバーの川に沈めよ〈『アントニーとクレオパトラ』論〉;『コリオレイナス』―シェイクスピア的矛盾について)
2 喜劇(ティターニアとろばの頭―『真夏の夜の夢』論;シェイクスピアの苦きアルカディア;プロスペローの杖―『あらし』論)
3 雑録(シェイクスピア―残酷にして真実な;シェイクスピア覚え書き;年表―シェイクスピアと世界)