内容説明
中央アジアとチベットの利権をめぐって英露清がしのぎを削っていた19世紀末―。当時の紛争地をことごとく踏破し、虚々実々の駆け引きを繰り広げた英国の軍人・探検家、フランシス・E.ヤングハズバンドの生涯を、残された日記と膨大な資料をもとに生き生きと描いた初の評伝。
目次
家系と生い立ち
サンドハーストからインドへ
初めてのヒマラヤ
頽廃する英領植民地インド
満州の探検
シベリア辺境の旅
ゴビの流沙を越えて
氷雪への魅惑―ムズターグ峠
青春の野望と挫折
カラコラムの探検
パミールとフンザ
パミールをめぐるロシアの陰謀
チトラルの反乱
ボーア戦争前夜の南アフリカ
インド―安逸と怠惰な日々
〈チベット使節〉
密かな旅―チベット国境へ
政策の転換―軍事使節へ
ギャンツェへの進出とラサ進撃
ラサにおける条約交渉とラサ撤退
〈チベット使節〉の後始末―「身代わり山羊」
カシミール駐在官として
カシミール、光と影
新しい冒険―思索と隠棲の日々
死からの生還
第一次世界大戦と新しい改革運動
エヴェレスト遠征の挫折と準備
エヴェレストとチベット政府
エヴェレスト―新しい難題
エヴェレスト醜聞
晩年―新しい精神活動
最後の旅路
著者等紹介
金子民雄[カネコタミオ]
1936年、東京生まれ。日本大学商学部卒業後、中央アジア史、東南アジア史の調査・研究を続ける。哲学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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