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古代ギリシア人―自己と他者の肖像

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  • サイズ B6判/ページ数 307,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560028339
  • NDC分類 231
  • Cコード C0022

出版社内容情報

西欧文明の源流というべきギリシア文明を担った人々が、どのような民族であったかを、彼らが自らのアイデンティティをどのように認識していたかを検証することによって解きあかす。 【編集者よりひとこと】 著者のポール・カートリッジは古代ギリシア史の分野において最も著名な学者であり、理論面において斯界をリードする人物である。彼の著書は数多く、広く読者に受け入れられている。まさに古代ギリシア史の第一人者と言えるだろう。本書は「古代ギリシア人とはどのような民族であったか」という問いに対して、独創的で刺激にみちた答えを用意している。

内容説明

ギリシア人対異民族、男性対女性、自由人対奴隷、といった自己と他者との二極対立の思考法によって、自らを認識したギリシア人の特異なメンタリティを解明した鋭意の論考。

目次

第1章 意義ある他者―われらと彼ら
第2章 過去を創造する―歴史対神話
第3章 異邦の知―ギリシア人対異民族
第4章 歴史とジェンダー―男性対女性
第5章 会員制クラブにて―市民対非市民
第6章 非人間的束縛について―自由人対奴隷
第7章 おのれの分限を知る―神々対人間

著者等紹介

橋場弦[ハシバユズル]
1961年札幌に生まれる。1984年東京大学文学部卒業。1990年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在大阪外国語大学助教授。文学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

8
「歴史家たちが歴史を書くということは、過去のできごとをそっくりそのまま再現するという意味ではない。なぜならまず、それがたんに事実上物理的に不可能であるからであり、また過去の事実はすべてが平等の価値をもって生起したわけではないからである。むしろ歴史家たちは、それぞれ自分独自の、取捨選択された、しばしばたがいに非常にこたなった複数の過去を創造するものなのである。この限りにおいて私は、「歴史記述は文学的作為である」というヘイドン・ホワイトの考えに同調する。そして歴史記述は…性質上、本来暫定的で条件つきのものだ」2019/11/25

seer78

3
ギリシア人の自己認識がいくつもの二項対立の重ね合わせからなっていたことを明らかにする。ギリシア人がすごいのは、二項対立を極端に突き詰めたこと。ペルシアという外部の他者だけでなく、ギリシア内部の他者というべきスパルタ、主に異民族からなる奴隷、そして最大の他者とも言うべき女性。アテーナイの「市民」は自らを彼らとは異なるものとして位置付ける。歴史の二人の父、ヘロドトスとトゥキゥディデスの相違も興味深い。「他者」としての古代ギリシア理解をすすめる書。ヨーロッパの自己認識(古典ギリシアの継承者!)にも変更を迫る書。2011/09/04

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