中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義

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  • サイズ B6判/ページ数 340,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560027783
  • NDC分類 289.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。

内容説明

R.B.ボース。1915年、日本に亡命したインド独立の闘士。新宿・中村屋にその身を隠し、アジア主義のオピニオン・リーダーとして、極東の地からインドの独立を画策・指導する。アジア解放への熱い希求と日本帝国主義への止むなき依拠との狭間で引き裂かれた、懊悩の生涯。「大東亜」戦争とは何だったのか?ナショナリズムの功罪とは何か?を描く、渾身の力作。

目次

第1章 インド時代
第2章 日本へ
第3章 「中村屋のボース」
第4章 日本での政治活動の開始
第5章 苦難の道へ
第6章 「大東亜」戦争とインド国民軍
終章 近代日本のアジア主義とR・B・ボース

著者等紹介

中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年、大阪生まれ。大阪外国語大学(ヒンディー語専攻)卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。学術博士(地域研究)。博士論文で第三回アジア太平洋研究賞受賞。京都大学人文科学研究所研修員、日本学術振興会特別研究員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mm

26
なぜ新宿中村屋はカリーを看板商品にしているのか?に始まる掴みからテンボもよく、事実なのに小説以上に面白い。29歳で日本に潜むことになり58歳で病で亡くなるまで、一度も故郷の土は踏めなかったボース。ただただインドの独立のため、日本内で支持を集め協力をあおぎ、軍の力も利用できるのなら利用して奮闘する彼の熱量に、中島さんの研究に賭けた熱が被さって、感動を呼ぶ仕上がりです。戦前のアジア主義とはどういうものだったのか、何故大東亜戦争が起こったのか、なぜシンガポールがあんなに簡単に堕ちたのか、ああ‼︎そうだったのか!2020/11/29

nbhd

23
面白いとは聞いていたけど、じっさい何度か「ひょえ〜」となるくらい面白かった。これは新宿中村屋のインドカリーにまつわる「革命とロマンス秘話」どころの話じゃない。インドでの過激派活動、中村屋神隠し事件に大川周明らとの交流とかスゴいエピソードが盛り沢山だけど、肝はボースの「引き裂かれ具合」にあると思った。一方に、日露戦争後の日本を足掛かりにして英帝国主義からのインド独立=アジア解放を目指す志があり、また一方に、頼りの日本がまさに帝国主義化していく時代がある。今日から見て、ボースの成否云々を言えるものではない。2016/11/03

呼戯人

14
無茶苦茶面白い傑作評伝。ラース・ビハーリー・ボース。インドの独立運動に邁進した革命家にして新宿中村屋のインド・カリーの発案者。イギリス植民地下のインドで武装ほう起に失敗し、1915年日本に亡命してきた。インドではイギリスの苛酷な植民地支配が続き、これに対する抵抗運動をおこなう革命家が続々と蜂起するが、イギリス官憲の手によって次々に拷問・虐殺が行われていた。ボースは若くして頭角を現したが、イギリス官憲に追われ日本に亡命してきた。日本に帰化し、俊子と結婚するが革命運動を続ける。なんと劇的な人生!!2015/09/21

すーぱーじゅげむ

9
著者の新聞での時事論評がよくて手に取りました。大正・昭和初期のインド独立運動の活動家で、新宿中村屋のインドカリーを作った人の伝記です。最初はバランス感覚に優れた人だったのに、軍部の大東亜共栄圏思想に巻き込まれてゆきます。調停役って難しくて素晴らしいと思いました。戦争じゃない状態を保ち続けるのは大変な上、何も起こっていないように見えるから評価もされにくく、結局カリーが一番有名。私は、料理は相互理解の助けになると思います。だって国境を軽く越えてゆくから。2022/10/15

jj

9
日本に亡命帰化したインド独立革命家RBボース(防須)の生涯を綴った伝記。インド時代の独立運動、日本亡命後中村屋のボースとして、中村屋への雲隠れ事件、俊子とのロマンス・結婚・2人の子供・俊子の早すぎる死。恋と革命の味新宿中村屋のインドカリー。大東亜戦争におけるインド独立に対する思い。一次資料を基にした詳細な内容はRBボースの生きざまや、当時の帝国主義から搾取され続ける植民地・亜細亜諸国の独立の為の連携を模索し続けた内容と当時の重要な登場人物とのかかわり等、どれも興味深くじっくり拝読させてもらいました。2016/06/12

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