出版社内容情報
ジョイス『ユリシーズ』、ドストエフスキー『罪と罰』など9編の小説の内部にある力を摘出し、そこから小説の構造を照らし出す論集。<初版1975年>
内容説明
二十世紀の名作九編を取り上げ、既成のいかなる観念体系をも援用せず、作品の内部にあって作中人物を動かし、劇の進行を促している力を摘出し、それを光源として作品の意味の構造を照らし出す、ニュー・クリティシズムの驍将による小説批評。
目次
第1部 エロスの五つの型(具現の弁証法―トルストイの『アンナ・カレーニナ』;息子を探すユダヤ人―ジョイスの『ユリシーズ』;ところを得ぬ美―フローベールの『ボヴァリー夫人』;群小対立物の主―マンの『魔の山』;パロディーと批評―マンの『ファウスト博士』)
第2部 ドストエフスキー研究(『罪と罰』―きみ自身の部屋におきた殺人;『白痴』―荒れ狂う善;『悪霊』―鳥篭のなかで;『カラマーゾフの兄弟』(疾駆するトロイカと地下生活者の惰力;大審問官と悦びの酒;頑強な農民と聖者の悲劇))
著者等紹介
ブラックマー,R.P.[ブラックマー,R.P.][Blackmur,R.P.]
1965年没。享年61歳
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