出版社内容情報
『万葉集』の内から恋の歌35首を精選。それぞれの歌には、人情の機微に触れるしゃれた解説を万葉学者が加え、料紙・短冊など美しい素材を駆使してかな作家が再現する。歌と書が織りなす、繊細にして優雅なコラボレーション。
【著者紹介】
1960年生まれ。国学院大学大学院修了。文学博士。奈良大学文学部教授。第15回上代文学会賞、第7回角川財団学芸賞など受賞。『魂の古代学』(新潮選書)、『万葉挽歌のこころ』(角川学芸出版)など著書多数。万葉文化論の立場から、歴史学・民俗学・考古学などの研究を応用した『万葉集』の新しい読み方を提案している。
内容説明
流麗にして典雅な書の一字一字をたどってゆけば、三十一文字に盛り込まれた恋の心がよみがえる。いにしえの「歌」と現代の「書」の味わい深いコラボレーション。万葉の恋歌の妙味を、ときにユーモアをまじえ、現代の感覚に重ねて、やさしくときあかす。
目次
1章 四季に寄せ、花に寄せて(春雨に衣はいたく通らめや七日し降らば七日来じとや;我が背子に我が恋ふらくは奥山のあしびの花の今盛りなり;やどにある桜の花は今もかも松風速み地に散るらむ ほか)
2章 淡き恋、熱き恋(朝戸出の君が足結を濡らす露原早く起き出でつつ我も裳の裾濡らさな;皆人を寝よとの鐘は打つなれど君をし思へば寝ねかてぬかも;遠妻と手枕交へて寝たる夜は鶏がねな鳴き明けば明けぬとも ほか)
3章 想う人、想われる人(我が背子が着る衣薄し佐保風はいたくな吹きそ家に至るまで;君が行く海辺の宿に霧立たば我が立ち嘆く息と知りませ;信濃なる千曲の川の小石も君し踏みてば玉と拾はむ ほか)
著者等紹介
上野誠[ウエノマコト]
1960年、福岡生まれ。国学院大学大学院修了。博士(文学)。奈良大学文学部教授。第15回上代文学会賞、第7回角川財団学芸賞など受賞。『魂の古代学』(新潮選書)、『万葉挽歌のこころ』(角川学芸出版)など著書多数。万葉文化論の立場から、歴史学・民俗学・考古学などの研究を応用した『万葉集』の新しい読み方を提案している
中嶋玉華[ナカジマギョクカ]
1958年、東京神田生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。小山やす子に師事。現在、毎日書道展会員。日本書道美術院審査員。かな書道塾「土筆の集い」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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双海(ふたみ)