目次
「書」とは、どういうことなのか
図版+鑑賞のポイント
この書を、こう見る!
簡牘・帛書
将軍は心を奪うべし―刀筆の吏と紅糸の欄
木簡はカラオケである
簡牘発見の記録と科斗文字
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mentyu
1
小篆から隷書(+草書)への移行を、簡牘と帛書から探るという内容。この時期から、文字は線の集合体から、「書」に移行すると書家たちは見るらしい。字体も私たちに親しみのあるものになっており、解説文も明らかに「書」の鑑賞に対する手引きとなっている。隷書と草書は兄弟関係らしく、共に書き手の意志が筆先を通して肉感的に反映されるという、それまでの字体では考えられなかった傾向を有しているとか。書の鑑賞なので仕方ないかもしれないが、記載内容には触れず、字形のみを賞玩する姿勢を突き通している所が、考古学の土器研究的である。2022/11/17