感想・レビュー
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かみしの
3
定家が実朝に送った歌論。貫之、六歌仙以後の和歌が衰退していった旨、古典的歌語を省みず新しいことをやっている気でいる俗歌人が増えたことへの嘆きが述べられ、本歌取りの簡単なルールを叙した後に、いくつかの秀歌を掲載する。ここに収録されたもののいくつかは、後に百人一首に形を変えて人口に膾炙することとなる。歌を見てみると「恋の煙」「氷と見ゆる冬の夜の月」など、なかなかぐっとくるものも多い。いろいろ書かれているが、コアはここだと思う。“歌は広く見遠く聞く道にあらず。心より出でて自らさとるものなり”2013/09/21