内容説明
“精神科医にもらった薬がわかる本”では決してわからないことがある―あなたが自分の飲んでいる薬の効き方を感じとり、主治医に伝えるための手引き。
目次
序章 精神科薬物の官能的評価、活用のすすめ
第1章 抗不安薬(デパス;リーゼ ほか)
第2章 睡眠導入薬(ロヒプノール、サイレース;レンドルミン ほか)
第3章 抗うつ薬(パキシル;デプロメール ほか)
第4章 抗精神病薬(リスパダール;ドグマチール ほか)
第5章 感情調整薬(リーマス;デパケン ほか)
終章 精神科医からみた官能的評価
著者等紹介
熊木徹夫[クマキテツオ]
経歴:1969年、京都市に生まれる。1995年、名古屋市立大学医学部医学科卒業。名古屋市立大学病院精神神経科、豊橋市民病院精神神経科、愛知医科大学付属病院精神神経科、矢作川病院などの勤務を経て、2007年7月より、あいち熊木クリニック院長。専門:精神病理学・漢方医学・思春期精神医学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
7
向精神薬によってもたらされる気分の変化を患者自身が言葉で表現している。薬が効くということは怖いことでもあるのだと思い知らされた。2019/04/19
つなぐ
4
精神科の薬ごとに著者の解説した掲示板によせられた服用時の患者の感想に著者がコメントをつける形で、それぞれの薬の特徴を明らかにしようと試みている本です。難しい精神科の用語に簡単な解説もありますが、精神疾患を多少は理解している医療関係者向けでしょうか。無味乾燥な薬の一覧では記憶に残りませんが、患者の感想を読んでいくと面白い体感が語られていて、なるほど似たような薬でもこんなに違うものなのかと納得。精神科の薬の特徴を面白く覚えることが出来ます。著者はこのようなアプローチを官能的評価と名付けています。2018/03/31
uka
0
患者側視点の服薬後の反応。多剤が多いのでなんとも言いがたいけれど、皆さん相当にシビアに症状を自分自身で見つめているのだなと感じた。そして改めて薬効って怖いと思った。2015/08/02
水野
0
患者さんサイドから、向精神薬を服薬した時の感触を語ったもの。言葉にしてやりとりすることが、薬をうまく使うことに繋がっている感じ。飲み心地や飲むことでの変化について患者さんに聞く時の参考になりそうな。どういう感覚があるかもそうだけど、離人感や眠気などの症状が本人にとって深いかどうかとかも大事っぽい。「眠気」と一口に言っても、逆らえないような感じ、重い感じ、気持ちいい眠気、眠っても目が醒めるとか、色々なものがくっついてくるよね、という。2014/01/29
Fugusuke
0
これは超が付くほど面白かったです!実際に精神科のくすりを服んでいる人の体験談です。熊木先生のHPに設置されている掲示板に寄せられた、たくさんの書き込みをもとに作られた本です。精神科のくすりは、そのくすりが合うかどうかは服んでみなきゃわからないところがあるそうです。名前と表面的な効果・副作用を知っただけではつかめない、くすりのイメージと特性の輪郭、使用感がなんとなく、わかります。実際に処方することは無いと思いますが、大変参考になりました。2012/04/23