内容説明
動機のわからない、奇妙な非行と発達障害との関連性に日本で初めて着目した記念碑的論文を含む18論文を収録。常識、社会性からは疑問符のつく少年たちにどうむきあえばいいのか。対人関係理解のキーワード「発達障害」の認知を広めた著者がおくる最新論集。
目次
序章 非行と広汎性発達障害(非行と広汎性発達障害)
第1章 広汎性発達障害を考える(青年期の高機能自閉症・アスペルガー障害の司法的問題―家庭裁判所における実態調査を中心に;性非行にみるアスペルガー障害―家庭裁判所調査官の立場から;アスペルガーと虐待の不思議な関係;これからの広汎性発達障害支援に望むこと―司法領域での経験から;発達障害と精神鑑定―裁判員制度をめぐって)
第2章 少年犯罪を考える(少年非行・少年犯罪;小学生の犯罪を考える―犯罪は低年齢化したか;少年犯罪と軽度発達障害―家裁調査官の視点から;アスペルガー障害と性犯罪;広汎性発達障害と統合失調症の鑑別と治療―司法的見地から)
第3章 少年とむきあう(非行少年と「いのち」の教育;子どもの発達と非行;親が放任し、子どもに非行傾向があるとき―どう援助するか;発達障害のある非行少年の処遇―家庭裁判所での調査・処遇に関して;発達障害を抱える非行少年の精神療法―“反省なき更正”を考える;子ども虐待への支援―家庭裁判所の役割と課題;非行少年と風景構成法)
著者等紹介
藤川洋子[フジカワヨウコ]
1973年大阪大学文学部哲学科卒業。家裁調査官として、大阪、京都、名古屋、大津、東京の各家裁で、さまざまな少年たちに出会う。その間、神戸大学精神科教授(当時)の中井久夫に師事。大阪家庭裁判所総括主任家裁調査官を最後に退職。2006年より京都ノートルダム女子大学心理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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