内容説明
本書は千葉大学における「普遍教育」(従来の「一般教養」に代わる当大学での非専門科目の形態)の一環としての、数学の講義ノートをもとにしている。折からの大学の改組にあたって数学を非専門の学生にどのように教えるべきかが本学でも問われており、そのような課題に対しての解答を模索する形で、著者が半年の実験講義を受け持った報告である。
目次
1 数学のはじまりはじまり
2 古代の知恵、古代の美:ヘレニズム時代の数学
3 正多面体を決定する。そして正4面体を回転する
4 散歩道の秘密とオイラーの等式
5 対称群と置換群、15ゲームの群論的考察
6 いつかもとにもどってしまう数学:合同式
7 数学と文化人類学との接点
8 合同式の応用―暗号通信
9 ギリシャと現代をつなぐ赤い糸 数学は何をめざすのか
10 ニュートンの周辺
11 線形現象としてのピタゴラス和音
12 19世紀以後の数学の変貌と宇宙像の展開
13 数学の離宮