ビブリオパイカ―斎藤環書評集１９９７‐２０１４

斎藤 環【著】

日本評論社（2015/06発売）

• サイズ B6判／ページ数 613p／高さ 19cm
• 商品コード 9784535586789
• NDC分類 019.04
• Cコード C3095

出版社内容情報

著者の書評・解説を集大成。純文学からベストセラー、人文書から医学書に至るまで手当たり次第に読み尽くしてきた一八年三六〇冊。

1997-2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014

【著者紹介】
筑波大学医学医療系保健医療学域社会精神保健学分野教授

内容説明

ベストセラーから専門書まで、哲学書からタレント本まで。精神科医が読む１８年間３６７冊。

目次

１９９７‐２０００―００１　転移／逆転移　氏原寛、成田善弘…００７　近親姦に別れを　ガンザレイン、ビュークリ
２００１―００８　引きこもる父親出すぎる母親　岡本きよみ…０１２　僕は結婚しない　石原慎太郎
２００２―０１３　コカイン・ナイト　バラード…０４９　多重化するリアル　香山リカ
２００３―０５０　水没ピアノ　佐藤友哉…０８０　キャラクター小説の作り方　大塚英志
２００４―０８１　ひきこもりセキラララ　諸星ノア…１０８　椎名林檎ｖｓＪポップ　阿部嘉昭
２００５―１０９　夕凪の街桜の国　こうの史代…１３３　ニンギョウがニンギョウ　西尾維新
２００６―１３４　テヅカ・イズ・デッド　伊藤剛…１５３　そして殺人者は野に放たれる　日垣隆
２００７―１５４　ネオンと絵具箱　大竹伸朗…１８４　情緒論　切通理作
２００８―１８５　ひきこもりの“ゴール”　石川良子…２１２　趣都の誕生　森川嘉一郎
２００９―２１３　火の島　石原慎太郎…２３２　１００年予測　フリードマン
２０１０―２３３　天地明察　沖方丁…２６９　飽きる力　河本英夫
２０１１―２７０　芸術闘争論　村上隆…３０１　一般意志２．０　東浩紀
２０１２―３０２　吸血鬼と精神分析　笠井潔…３２６　日本型リーダーはなぜ失敗するのか　半藤一利
２０１３―３２７　フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ　ジェイムズ…３４８　英国一家、日本を食べる　ブース
２０１４―３４９　迷わない。　櫻井よしこ…３６７　重力の虹　ピンチョン

著者等紹介

斎藤環［サイトウタマキ］
１９６１年岩手県生まれ。筑波大学医学研究科博士課程卒業。医学博士。爽風会佐々木病院等を経て、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期精神医学、病跡学。『関係の化学としての文学』（新潮社）で日本病跡学会賞を、『世界が土曜の夜の夢ならヤンキーと精神分析』（角川書店）で角川財団学芸賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[ころこ]

１５年に出版された、９７年のデビューからそれまでの書評集。同じ著者の本が多いという特徴があり、書評もいくつかのパターンに集約される。新聞書評は軽めに書き、その本の最後に収録される解説は水準が高く、理解することさえ容易でない文章がある。最も難しかったのは医師の知識を前提にしているフーコー『臨床医学の誕生』だ。これだけに留まらず、ラカン派精神分析の用語が頻出するのは、意外にも柄谷行人『世界史の構造』『哲学の起源』だ。ボロメオの環を使い、独特の読解をしている。『フロイト全集』『精神分析入門』は内容ではなく、ちょ

2023/07/02

[あび]

精神科医、斎藤環氏の書評群。これだけ膨大に読んでいるのに、全然読まない人間で申し訳ないだなんて謙虚で良いですね。

2017/04/11

[えすあーる]

なんだこりゃ(^^) 書評を集めた600ページ超。索引を見ながら、自分も読んだ本のから拾い読み。結局全部読んでしまった。近い業界にいるし、多分趣味が近いのかも。

2016/02/20

[田中峰和]

大した読書家ではないと謙遜する著者だが、受けた依頼を拒否しないとする書評の量は膨大だ。ビブリオパイカを訳せば「書物異食症」のこと。異食症とは栄養価の無いものを口にしたくなる精神症状と解説する著者。精神科医によるネーミングらしい。依頼を受けての書評だけに、基本的には肯定的評価につとめるそうだが、これを歓待型批評と呼ぶらしい。本という他者を受容し、肯定した結果、自分の中のものが少しだけ変化する批評スタイルのことだ。自分が読んだ本の書評を見つけると比較したくなるが、600頁を超える本、さすがにすべては読めない。

2015/08/24