刑務所の風景―社会を見つめる刑務所モノグラフ

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784535584815
  • NDC分類 326.52
  • Cコード C3032

出版社内容情報

刑務所を対象とした、元法務省の心理技官による初のエスノグラフィ。少年院、保護観察所等の参与観察も踏まえた、プロによる一冊。

内容説明

収容率116%、厳罰化がもたらした刑務所の現実。刑罰が、人や社会に何をもたらしているのかを追究する、日本初の刑務所モノグラフ。

目次

刑務所から社会が見える―刑務所は治安の最後の砦?
刑務所の中の刑務所―昼夜間独居の住人たち
外国からの望まれざるお客様―外国人受刑者の素顔
心に障害をもつ受刑者の世界―刑罰システムと精神医療システムの交錯
刑務所を支える受刑者―経理夫の存在
刑務所を訴え続ける人々―訴願受刑者の思考
累犯刑務所の主役―暴力団受刑者の諸相
受刑者の人事管理―分類の仕事その一
受刑者の社会復帰と獄死―分類の仕事その二
ゼロ・トレランス―逃走に見る刑務所の規律・保安
刑務官と受刑者の関係―名古屋刑務所事件をとおして
刑務官の視点―人を管理するということ
矯正と犯罪被害者―犯罪被害者支援の余波
観察者にとっての刑務所勤務―観察者自身に対する眼差し

著者等紹介

浜井浩一[ハマイコウイチ]
龍谷大学大学院法務研究科教授(矯正・保護研究センター第3部門長)。早稲田大学教育学部卒業後、国家公務員上級職合格、法務省に採用される。少年鑑別所、少年院、刑務所、保護観察所などの犯罪者処遇現場のほか、矯正局、法務総合研究所、在イタリア国連犯罪司法研究所研究官を歴任し、2005年4月から現職。実務現場や統計データなど事実に基づく犯罪研究が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

でんちゅう

8
学術的な専門書のようで教科書的な説明が満ちてます。でも難しい言葉も、分かりやすく読めるように工夫されてます。刑務所のことを全く知らない自分でも興味を持てて、刑務所組織を知る入門書としても力を発揮します。実際、畑違いの一般人が読んでも、なるほどと得ることが多くあると思う。筆者は弱い人たちが安心して暮らせる社会を願って、この本を世に出した。これを出発点にして犯罪の起きない平和な暮らしが望めるような世界になったらいいと思う。筆者の熱のこもった良書です。2021/03/01

向う岸

5
『人を殺すとはどういうことか』に共通して、人が罪を犯すのは社会から受け入れられない疎外感と自暴自棄が大きな理由に思える。 一度でも道を外れた者に容赦しない日本の空気が人を追い詰めてしまう。 社会において自分の居場所がある、他者から認められることが生きていく上でかなり重要で、SNSなどによって色々な人に承認を求める一般市民も受刑者と根っ子の部分では一緒だ。 受刑者も刑務官も悩みの種は人間関係であり、こればっかりはどこに行ってもつきまとうようですよ。厳罰化はむしろ再犯を助長させる。2013/04/03

anchic

5
少年施設に勤務する者として読んでみました。はっきり言って、新採用者研修の教材よりもわかりやすくてためになるものでした。なんでこうも公的機関の発行する教材や出版物は役に立たないものが多いのか・・・。現場の空気をいち早く味わうのには最適な本だと思います。2012/01/21

shinoki

0
来年書く卒論に使えるかと思って読んだけど、期待通りだった。全制的施設の中での刑務所の特殊性、受刑者の眼差し、「何事も無くて当たり前であり、誰にも褒められないが、何かあれば激しく非難される」場所、「何も生産しない」場所、「病院のように受け入れを拒否できず、福祉や治安の最後の受け皿」という刑務所は、じゃあなぜ存在している必要があるのか。社会は犯罪とそれに関わった、関わらざるを得なくなった受刑者、被害者たちにどう向き合えばいいのか。刑務所に存在するあらゆる静かな寒さが描かれている。2014/12/08

えんもん

0
刑務所の中って想像もつかないから、大変興味深く読めた。2013/09/20

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