内容説明
市民による正義の実現、刑事裁判において法律の素人が裁判事案に関する“現実”を構築し、法的判断を行うプロセスと、それが社会正義の実現に対してもっている意義を、「物語」をキーワードに、言説分析・法人類学・社会心理学・フィールドワーク等の学際的な方法を駆使して分析する。その可能性とリスクをめぐる根源的な問いかけ。
目次
第1部 日常的過程としての裁判(法廷における物語;公式の法手続きと暗黙の判断行為)
第2部 物語構築と社会的判断の理論(物語と法的判断の構築;真理と社会的判断の構造)
第3部 法的判断の基礎を構築する(法廷における事案構築の諸戦略;事案構築における修辞戦術)
第4部 刑事裁判の理論への含意(刑事裁判の理論へ向けて;司法過程における偏見)
著者等紹介
ベネット,ランス[ベネット,ランス][Bennett,W.Lance]
1974年にイェール大学で政治学博士号を取得後、ワシントン大学で教える。メディアと政治コミュニケーションの研究で著名。現在までに『ニュース―幻影の政治学』、『統治の危機―米国選挙におけるメディア・マネー・マーケティング』など6冊の著書を刊行している。ケンブリッジ大学出版局「コミュニケーション、社会、政治」シリーズの共編者でもある
フェルドマン,マーサ[フェルドマン,マーサ][Feldman,Martha S.]
1983年にスタンフォード大学で政治学博士号を取得後、カリフォルニア大学アーヴィン校で教鞭を執る。社会学的な組織研究や質的研究方法論の分野で活躍する
北村隆憲[キタムラタカノリ]
1957年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業、東京都立大学大学院修了。法社会学専攻。東海大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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