出版社内容情報
訴訟派の裁判闘争と新認定患者の補償闘争が一体となり、チッソとの闘いは本番を迎える。東京交渉団による本社交渉決着までを追う。
第一部 もう一つの幕開け、潜在患者の闘い(一九六八~七一年)
第一章 死亡潜在患者は門前払い
一 死亡者は審査せず
死亡者の審査請求に関する日誌(六八・一〇・四~一二・六)
新患家レポート
1 五四年発病、同年死亡の水俣市内の女子中学生
2 五九年発病、同年死亡の出水市名古部落の二名
3 五九年発病、六五年死亡の出月の漁師
4 六三年頃発病、六五年死亡の坪段の引揚者漁師
二 五名の新患家レポートの整理と審査会の門前払いについての検討
第二章 生存潜在患者の苦難の道のり
一 「水俣病患者審査会」への申請と審査
日誌(1)(六八・一〇・八~六九・九・八)
新患家レポート
5 家族三名診定・認定の漁師一家の祖母
6 六一年に判定否定された砂利採取業者
7 放置されていた胎児性患者の母親
二「公害被害者認定審査会」への申請と審査
日誌(2)(六八・一二・一五~七一・四・二二)
新患家レポート
8 一九四五年発病の漁師
9 五一年頃発病の女児
10 六一年頃発病とされた津奈木の漁師
11 六一年生まれの津奈木の胎児性患者
12 精神病とされ死後解剖認定された鮮魚商
三 五ケースの整理と慢性水俣病について
第三章 九人の棄却者の行政不服審査請求と裁決
一 行政不服審査請求
日誌(3)(七〇・八・一八~七一・一二・一六)
新患家レポート
13 漁民採用の会社行きの妻
14 女島の元網元
15 湯堂の漁師のダウン症候群の子供
16 申請を受付けられなかった死亡患者(新患家レポート3)の七男
二 審査会の実態と県の違法を暴く
三 環境庁の裁決
四 ようやく認定された
第二部 闘争本番(一九六九~七二年)
第四章 チッソの水俣工場処理(六九年八月~七一年三月)
一 前半戦
二 後半戦
第五章 水俣病訴訟の結審までの経過(七〇年五月~七二年一〇月)
一 水俣病補償処理委員会の「あっせん案」
二 全国に広がる訴訟支援の輪と運動
三 水俣病訴訟の過失立証
四 水俣病訴訟の損害論および立証と結審
第六章 新認定患者の補償闘争(七一年一二月~七二年一〇月)
一 環境庁裁決前の認定患者の補償問題
二 環境庁裁決後の新認定患者の補償闘争――水俣での自主交渉と工場前座り込み
三 社長との自主交渉と本社座り込み
四 五井工場暴行事件とチッソ本社鉄格子設置
五 環境庁長官・県知事立会いの自主交渉――チッソの切り崩しと長期戦
立会い自主交渉日誌(七二・一・二二~八・二四)
第三部 決着(一九七二年~七三年)
第七章 鍵握る主力銀行興銀、闘争の組み立て(七二年三月~七三年三月)
一 興銀は水俣病に共同責任あり――第一組合の新しい闘争態勢
二 第一組合とチッソ・興銀との前哨戦
三 裁判結審と新たな闘争の開始、川本輝夫への刑事弾圧
調停作業日誌(七一・一二・二八~七二・一〇・一九)
四 自主交渉派と訴訟派、判決前の公調委調停案提示を阻止
五 判決前のさまざまな動きと東京交渉団の結成
六 労働者の成長の軌跡
第八章 患者闘争のクライマックス(七三年三~七月)
一 水俣病訴訟判決
二 経営危機のチッソはどうなる
三 攻める東京交渉団、追い込まれるチッソ
四 年金拒否――チッソの最後の防御線
五 興銀本店を攻める
六 患者補償協定の締結
七 組織犯罪についての考察――東京交渉団闘争の教えること
第九章 第三水俣病事件と漁民闘争(七三年五~一一月)
一 熊大二次研究班報告書と第三水俣病事件
二 水俣市漁協と不知火海三〇漁協の補償闘争
【著者紹介】
チッソ水俣工場第一組合元委員長
目次
第1部 もう一つの幕開け、潜在患者の闘い―一九六八~七一年(死亡潜在患者は門前払い;生存潜在患者の苦難の道のり;九人の棄却者の行政不服審査請求と裁決)
第2部 闘争本番―一九六九~七二年(チッソの水俣工場処理―六九年八月~七一年三月;水俣病訴訟の結審までの経過―七〇年五月~七二年一〇月;新認定患者の補償闘争―七一年一二月~七二年一〇月)
第3部 決着―一九七二~七三年(鍵握る主力銀行興銀、闘争の組み立て―七二年三月~七三年三月;患者闘争のクライマックス―七三年三~七月;第三水俣病事件と漁民闘争―七三年五~一一月)
著者等紹介
岡本達明[オカモトタツアキ]
1935年東京生まれ。1957年東京大学法学部卒業、新日本窒素肥料株式会社入社。1970~78年チッソ水俣工場第一組合委員長。1990年チッソ株式会社退社。編著書『聞書水俣民衆史』全5巻、草風館、1989~90年(松崎次夫と共編)(1990年度毎日出版文化賞受賞)、『水俣病の科学』日本評論社、2001年(西村肇と共著)(2001年度毎日出版文化賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ぐうぐう
Hiroki Nishizumi