内容説明
政争から政策へ。税と社会保障の問題から逃げてはならない。超高齢社会を迎えた国で危機的な財政難は解決できるのか。消費税、所得・住民税、年金、医療、子ども手当、給付付き税額控除など税と社会保障の諸テーマを制度・財政両面から徹底分析。未来にツケを回さないために、今、抜本改革を提言する。
目次
第１章 日本の税制と社会保障
第２章 消費税の構造と課題
第３章 個人所得課税への期待と限界
第４章 年金財政―世代の視点と年金財政改革
第５章 年金制度―政治主導時代の年金制度改革
第６章 健康保険財政の構造と高齢者医療制度
第７章 国民皆保険の現状と改革の指針
第８章 子ども手当の行方
第９章 給付付き税額控除の可能性と課題
第１０章 改革の時間軸
著者等紹介
西沢和彦［ニシザワカズヒコ］
（株）日本総合研究所調査部主任研究員。１９６５年東京都生まれ。１９８９年一橋大学社会学部卒業、三井銀行（現三井住友銀行）入行。法政大学修士（経済学）。２００６年より社会保障審議会年金部会委員。２００９年より同日本年金機構評価部会委員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かに
3
難しかったのでわかるところだけ理解しながらゆっくり読了。 経済の話ではなく、税と社会保障の話。所得税や社会保障の逆進性の問題や財源の確保や公平性など設定するにもしっかりとした計算や統計が必要。 目から鱗の内容が多かった。2023/04/18
メルセ・ひすい
2
15-70 ★財政検証のやりなおし｡安易に経済前提を現実の経済に即したものに置き換えるだけでなく､ＣＧＭの追加や一般会計と年金特別会計の連結情報の刷新と拡充が欠かせない｡拝拝拝 危機的な財政難。解決のため政府が検討している「税と社会保障の一体改革」とは何か。消費税、所得税、年金、医療、子ども手当など、税・社会保障を取り巻く課題を徹底追求し、あるべき改革の道筋を提言。2011/10/13
神宮司信也
0
著者は長らく公的年金ウオッチャーとして、制度の隠された問題点を抉り出す役割を果たしてきた。本書では、それと同じ手法を医療や所得税にも拡大し、一般には余り知られていない税制と社会保険との境界領域における制度の問題点を暴いている。2014/08/09
Quantum
0
しっかり理解したいので、繰り返し読んでいる。なんとなくわかった気になるので終わりたくないので、パワーポイントで自分ありの資料を作っているところ。すでに７０Ｐを突破・・。関心は法人税の見直し、マイナンバー法、労働市場の二極化の克服・・・と広がって、そろそろ出口戦略を練らないと・・・2014/03/24
Ogasa Tomoki
0
社会保障において公費負担が入ることによる受益と負担の希薄化や、所得税の捕捉性など、問題意識の点で筆者の考えに偏っている感があるものの、保険料による財源確保の限界を指摘している点や、給付付き税額控除を導入すべきという改革の方向性は正しいと思う。すでに古くなっている部分もあるが、現状の社会保障・税の問題点を一通り見た上で、それを克服するための姿を考えるという筋書きなので、非常に読みやすい著作。2013/06/02
