出版社内容情報
読売・吉野作造賞を受賞するなど高く評価されている『平成の経済』(小峰隆夫著)。ただ惜しむらくは金融危機について詳細に記述する紙幅の余裕はありませんでした。本書は、そのニーズに応えるもの。金融危機収拾の舵取りをした自民党きっての金融通の政治家が、金融危機の顛末を初めて語ります。著者の米国のパートナーであったガイトナー財務長官の『ガイトナ-回顧録』の日本版となるものです。
「禍根を残した日銀窓口指導廃止」「シナリオ通りだった大蔵省負担決定」「金融危機処理に何の口も出さなかった自民党」「存在感はそれほどなかった政策新人類」「金融監督庁誕生の攻防戦」など、いまだから明かせる秘話が満載の金融危機の本当の話です。
『平成金融史』(中公新書)『バブル経済事件の深層』(岩波新書)など経済ジャーナリストによる新書の近刊においても筆者はインタビューに応じておらず、破綻した長銀を譲渡するに当たってのプロセスなど本書はオリジナルの内容に富んでいます。
内容説明
恐慌回避の知られざる舞台裏。長銀譲渡交渉、早期健全化法、不良債権直接処理、ペイオフ全面解禁。日本を危機から救った知られざる1013日の闘い。
目次
1 難航する大蔵行政
2 バブルの生成と崩壊
3 金融機関のリスクへの転化
4 大手金融機関の破綻と国会の対応
5 金融再生委員長として
6 金融担当大臣として
著者等紹介
柳澤伯夫[ヤナギサワハクオ]
初代金融再生委員長。1935年静岡県生まれ。1961年東京大学法学部卒、同年大蔵省に入省。衆議院議員(8期)、国土庁長官(第31代)、国務大臣(金融再生担当)、金融再生委員会委員長(初・第7代)、金融担当大臣(初代)、自由民主党税制調査会会長、厚生労働大臣(第7代)、城西国際大学学長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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