経済学は何をすべきか

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532355937
  • NDC分類 331
  • Cコード C0033

出版社内容情報

世界金融危機で大きく揺らいだ経済学への信任。何故このような事態になったのか、活路はあるのか。岩井克人、鶴光太郎、小林慶一郎などの第一人者が、経済学、経済政策の限界と可能性を明らかにする問題提起の書。

内容説明

世界金融危機、長期にわたるデフレ―。なぜこれらの問題を解決できないのか。市場に委ねることが危険なのか、経済学は適切な対策を提示できないのか?第一級の研究者たちが問題の本質に鋭く迫る。

目次

1 経済学に罪あり(経済危機と経済学の責任;新古典派経済学の資本主義観 ほか)
2 日本の経済論争はなぜ不毛なのか(政策と経済学の不幸な関係;キーワードは「国民目線」 ほか)
附論 資本生産性は倍増できる(極端に低い日本の資本生産性;問題の所在 ほか)
3 現代の金融危機と「市場の質理論」(「市場の質理論」と分析対象;市場の質理論の歴史的検証 ほか)
4 経済学にイノベーションを(経済学は追いつめられているのか;経済学の「原則」をふりかえる ほか)

著者等紹介

岩井克人[イワイカツヒト]
国際基督教大学客員教授。1947年生まれ、東京大学教授を経て現職。東京大学名誉教授、東京財団上席研究員、経済学博士(マサチューセッツ工科大学)

鶴光太郎[ツルコウタロウ]
慶應義塾大学大学院商学研究科教授。1960年生まれ、経済企画庁、OECD経済局エコノミスト、日本銀行金融研究所研究員、経済産業研究所上席研究員を経て現職。経済学博士(オックスフォード大学)

小林慶一郎[コバヤシケイイチロウ]
慶應義塾大学大学院経済学研究科教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。1966年生まれ、通商産業省、経済産業研究所上席研究員、一橋大学経済研究所教授を経て現職。経済学博士(シカゴ大学)

中神康議[ナカガミヤスノリ]
みさき投信(株)代表取締役社長、『山を動かす』研究会発起人・幹事。1964年生まれ、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)、コーポレイトディレクション、あすかコーポレイトアドバイザリーを経て、現職。MBA(カリフォルニア大学バークレー校)

矢野誠[ヤノマコト]
京都大学経済研究所教授。1952年生まれ、横浜国立大学教授、慶應義塾大学教授などを経て現職。Ph.D.(ロチェスター大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

20
岩井名誉教授:効率性と安定性の二律背反は資本主義の不都合な真実(9頁)。累積的インフレが激化すると、貨幣から 逃走。貨幣の価値を失い、ハイパーインフレと化す(46頁)。日銀がじゃんじゃん万札を吸っているので、こうなりかねない のでは? ヴィクセル『利子と物価』1898年で貨幣が純粋投機物で一度安定性を失うと、滑らかな水平面を円筒がころ がるように、累積的に不安定性が増す経済になるという、不均衡累積過程論を提示(48頁)。 2015/04/05

mit

12
寄せ集め文集。貨幣とは他人が受け取ってくれると信じることで成り立つ投機的な存在であり、資本主義は本質的に投機に基づくシステムである。効率性を追求すれば市場は投機化する。人間が合理的に行動すれば投機においても市場は安定するとする説はもはや成り立たず、ケインズの「美人投票」的な市場においては、プロの投機家が互いの予想の先を行こうとして予想の連鎖が起き、バブルやパニックを起こす不安定な状況が生まれる。市場の効率性と安定性は二律背反し、市場を安定させるためには規制など不純物が必要と考える、岩井氏の議論が興味深い。2014/09/25

KAZOO

10
結構過去の論文などから集めたものですが、私にとってはかなり興味深く読むことができました。特に岩井先生のフリードマンとケインズの比較のところでは先生が昔から言っておられる持論をまた出されたなあという感じでした。また矢野先生の小論も興味深く読みました。ここに書かれている方のはすべて水準が高いと感じられました。2014/06/09

ルアット

5
現代の複雑な経済の動き、また、それに対してのよくわからない政策の根拠を素人にもわかるように解説されている。また、経済学というものは後付けの理論で、応用の効かない学問だというイメージがあったが、そのような学問をどのように現実の経済問題に適用していくべきかを指し示していて、なかなか勉強になった。2014/05/11

むとうさん

5
1章でいきなり岩井センセが「ここがヘンだよ新古典派」を始めるもんだからかなりラディカルな本かと思ったが、偶数章と奇数章でだいぶ空気が違う感じで、奇数章の方がラディカル気味。岩井センセのは貨幣を含む場合の不均衡動学のススメって感じで、RBC批判的な何か。3章の矢野先生は「市場の質」なる概念の提唱。2章の鶴・小林章は政策に経済学を使っていくにはどうするか。4章の大橋章はアカデミックサイドのあり方を考える。おまけで日本企業の資本生産性を高めるにはという論文が挟まって、本当に良くも悪くもごった煮みたいな本。2014/02/25

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