日経ビジネス人文庫
経済論戦は甦る

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784532193829
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0133

内容説明

不況の最中に、緊縮的な政策をスローガンにするとはどういう神経か―。日本経済の「失われた15年」をもたらした経済政策の失敗を完璧に解説した名著。フィッシャー、シュムペーターという二大経済学者の理論的対立とからめて、昭和恐慌、世界恐慌からの歴史的教訓を引き出している。第4回読売・吉野作造賞受賞。

目次

第1章 二人の経済学者、二つの経済ビジョン(不況のときになぜデフレ政策か?;金本位制のもとで起こった大恐慌 ほか)
第2章 日本経済の遭難(メイン・バンクと終身雇用制;審査機関としての銀行 ほか)
第3章 「構造改革」と「デフレ対策」(将来に関する不安と消費の低迷;日本の財政は危機的な状態にあるのか? ほか)
第4章 不良債権処理は「構造改革」か?(日本経済の「罪と罰」;なぜ、不良債権処理は「構造改革」と考えられるのか? ほか)

著者等紹介

竹森俊平[タケモリシュンペイ]
慶應義塾大学経済学部教授。1956年東京生まれ。81年慶應義塾大学経済学部卒業。86年同大学院経済学研究科修了。同年同大学経済学部助手。86年7月米国ロチェスター大学に留学、89年同大学経済学博士号取得。著書『経済論戦は甦る』で、第4回読売・吉野作造賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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KAZOO

110
竹森先生の歯に衣を着せない論調が大好きなのでこの本も単行本で読んで2回目です。私はシュンペーターの創造的破壊論が好きなので、フィッシャーよりも納得性があると感じています。当時の小泉改革のときに書かれているのでその当時を思い出しながら読んでいました。現在の状況を考えるのには参考になります。2016/04/12

はるわか

4
マクロ経済(~2002年)を、シュムペーター的な「創造的破壊」の経済理論と、フィッシャー的な「デット・デフレーション」の経済理論とを二つの軸として観察

すのす

1
小泉改革時の「構造改革」「不良債権処理」といった政策の是非を、経済学の観点から、主にフィッシャーのリフレ的主張を引きつつ、議論した本。経済学の理屈からすると至極全うなことしか書いてないと思うが、こういう本が広く普及しないのは、一般に経済学の理論は抽象的で、難解で、現実味がなく、役に立たないと見られてる(結果、俗論も跋扈するばかりで払拭できない)からだと思う。まぁ、経済学が社会における完全無欠な価値判断の尺度たりえるわけでもないので、そこは割り引きつつ、経済学的な考え方を失わないよう今後もがんばろう。2015/06/25

RYU

0
1930年代の大不況対策としてFisherのデットデフレーションとSchumpeterの創造的破壊を比較しつつ、日本経済の失われた15年程度(発行時点)を解説。小泉政権の不況下の緊縮的な政策に対する疑問から執筆。第二次大戦後に景気後退とデフレが同時に起こっているのは日本のみ。構造改革一辺倒でなく、積極的なデフレ(景気)対策が必要、と説く。2003年の33兆円の為替介入により、為替は比較的安定した一方、主要行の増資を伴う不良債権処理は景気後退の危険が生まれていた(金融再生プログラムの評価が定まらない一因)。2017/10/12

Kazuyuki Kuroki

0
アーヴィン・フィッシャーは、「コモディティ・ダラー」という概念を唱えたそうである。 ドル金貨の改鋳(改悪)のことで、金の総量が足りないなら、そうやって貨幣量を増やせば良い、という考え方だったそうだ。 金本位制の元で、金(ゴールド)の絶対量が足りなければ、金(ゴールド)の価値(価格)が上がり、金イコール貨幣だから、モノの価値が下がってしまう。即ち、確実にデフレになる。だったら貨幣を改鋳して金の含有量を減らせば良い、とフィッシャーは考えたが、政府が実行するには至らなかった。 それを遡る八十年ほど前、徳川綱吉の2017/05/18

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