日経ビジネス人文庫
市場の倫理 統治の倫理

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  • サイズ 文庫判/ページ数 452p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784532191764
  • NDC分類 150
  • Cコード C0133

出版社内容情報

商人は正直で誰とでも付き合い、競争する。官僚は忠実で規律を守り、取引には手を染めない。2つの道徳が混同されることから不正が起きるのだ。企業不祥事、政府の腐敗が広がる今、モラルの起源から現代を問う傑作。

内容説明

商人は正直に誰とでも付き合い、競争し合う。官僚は忠実に内部の位階や規律を尊び、外部との取引に手を染めてはならない。この二つの道徳が混同されることから不正が起きるのだ。内外の企業不祥事、国家・政府の腐敗が広がる今、モラルの起源から現代社会のあり方までを対話形式で説き明かす。

目次

第一回会合・アームブラスターからの呼び出し―蔓延する道徳的混乱を憂う
第二回会合・二組の矛盾する道徳律―市場の道徳と統治の道徳
ケート、市場の道徳を論ず―市場倫理の歴史的起源
なぜ二組の道徳律か?―分類の根拠を問う
第三回会合・ジャスパーとケート、統治の道徳を論ず―統治倫理の歴史的起源
取引、占取、その混合の怪物―領土・国家をめぐる取引と統治
型に収まらない場合―医療、法律、農業、芸術
第四回会合・統治者気質・商人気質―物事は視点によって見方が変わる
アームブラスター、道徳のシステム的腐敗を論ず―何が失われたのか
第五回会合・倫理体系に沿った発明・工夫―新たな発見と共生の可能性〔ほか〕

著者等紹介

ジェイコブズ,ジェイン[ジェイコブズ,ジェイン][Jacobs,Jane]
1916年米ペンシルベニア州生まれ。業界紙記者、フリーランスの寄稿家として活躍。1968年に30年間住んだニューヨークからトロントに移住。独立不羈の思索家として知られ、鋭い観察、独創的な着想に定評がある

香西泰[コウサイユタカ]
内閣府経済社会総合研究所所長。1933年生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GASHOW

6
統治者と市場の倫理観のはなし。統治者は、政府や自治体で、市場は、企業のこと。この本では、統治者が取引をすることの危険性を教えてくれる。取引には、嘘偽りや自分を有利にする性質がある。目的のために手段を選ばないというやつだ。囮捜査や盗聴などもされる。倫理は、破られる。統治者が市場に介入することは、取引に加担することなので賄賂や天下りなどは防ぐことができない。市場も利益の最大化のために共有地の悲劇をもたらす。解決策があるとすれば、統治者は取引に参加せずに市場の倫理違反を倫理違反の方法ありで取り締まることかな。2017/12/13

yagian

3
3.11以来、市場と民主主義について考えているが、いろいろな示唆があった。この本ではあまり論じられていないが、組織体の外部に対しては市場の倫理に従い、組織体内部は統治の倫理に従って運営される営利企業という矛盾した存在について考えていきたいと思う。2012/04/01

nogogotv

1
読みやすく分かり易い。政治家はこれくらいは読んでおいて欲しい。

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