出版社内容情報
金融システムを危機に陥れた莫大な不良債権処理の「現場の指揮官」に就任し、「国民にこれ以上負担をかけない」と、あらん限りの知恵を傾け、回収に辣腕をふるった弁護士。その知られざる闘いの全軌跡を綿密な取材で追い、この国に失われた「正義」を問う力作。
目 次
まえがき
第1章 始 動
1本の電話/遅い一番機/推薦者/難航した人選/もう一人の推薦者/「会長よりも社長やね」/秘書役の指名/影の秘書役も/依頼者は国民/住専とは/八王子方式/未解明の責任論/杉井部屋/公約は首相公認/罪なくして人を罰してはならない
第2章 親 方
駄々っ子/最初のジャブ/ガラス細工/中坊・十兵衛説/債権回収のすご腕/みそぎ/報酬お布施論/弁護士百人に一人が参加/「独裁者」宣言/トップダウン/組織変更へ/水漏れ防止/しぼんだ譲り受け債権/公正と透明と/マスコミの活用/三つの升/五つの武器/合宿好き/職員への手紙/残る溝も/宣戦布告
第3章 対 決
桶狭間の戦=末野興産との対決/回収総額1265億円/汚い人とは手を結ばない/清算的会社更生法へ/生かして回収・富士住建/不動産隠しのカネイチ/空白の一日/借りたら返してもらう/「住専現場」を歩く/競走馬も差し押さえ/中坊効果で「密告」も/改正民事執行法の威力/刑事手続きの活用/国松長官との友情/住専幹部も追及/三豊恒産への切り込み/告発目標30件/内部での闘い/生存可能だった(?)第一住金/金、銀、銅の表彰/暴力団への備え/被暴力の体験/心をよぎった危惧/「税」との闘い/政治家A/政治家B
第4章 危 機
信用枠毀損の発覚/条件闘争へ/ガン発見/次官からの手紙/農林系の踏み絵/ビッグバン事件/「根本」事件/国庫納付問題/辞任表明/触媒としての中坊/官邸突入事件/住専スキームの矛盾
第5章 闘 争
菊池寛賞/豊かなゴミの島/ドクロ・マーク/乗り出す/住民に迫る/中間合意/苦渋の選択/住民たちの決断/「中坊」からの自立/妻帯同で/もう一つの直轄案件・信楽高原鉄道事件/強者への挑戦/森永ヒ素ミルク中毒事件/遅すぎた青春
第6章 素 顔
公平さん/グリム童話集/現場主義との出会い/「石橋理論」で二足のわらじ/経営者のセンス/「家業」宣言/家業・住管機構での反逆/プロボノ・センター/夫人の中坊観/父・忠治/出家の論理
第7章 追 及
二つのムード/いくつもの「岩盤」/東建設の破綻/信用枠での軌道修正/二度目の辞任決意/関与者責任の追及/官邸からの極秘指示/住友銀行との対決/取締役の注意義務/前局長のワイン/中坊もどき/サービサーへの展望
第8章 檄
マスコミへの警鐘/記者指導/続く司法改革/裁判所批判/元旦の計はモンロー主義/忘れられた(?)住専の教訓/住管機構の改革/またもやビッグバン/官と民の関係/冷笑の中に立つ/ヴァイツゼッカーの演説/大阪へのテコ入れ/国民主権の実質化運動
内容説明
金融システムを危機に陥れた莫大な不良債権処理の「現場の指揮官」に就任し、「国民にこれ以上負担をかけない」とあらん限りの知恵を傾け、回収に辣腕をふるった弁護士。その知られざる闘いの全軌跡を綿密な取材で追い、この国に失われた「正義」を問う力作。
目次
第1章 始動
第2章 親方
第3章 対決
第4章 危機
第5章 闘争
第6章 素顔
第7章 追及
第8章 檄
著者等紹介
藤井良広[フジイヨシヒロ]
1949年神戸市生まれ。72年大阪市立大学経済学部卒業。日本経済新聞社入社。環境庁、国税庁、大蔵省、郵政省、NTT、外務省、日銀などの記者クラブ詰め、88年から91年までのロンドン駐在記者を経て現職。主な著書に『頭取たちの決断』『欧州通貨統合』『通貨崩壊』『日銀はこう変わる』、訳書に『21世紀の国際通貨制度』がある
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