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姥捨て山繁盛記

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532171438
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「亡き妻の夢を、この姥捨て村で叶えたい」定年目前で認知症となり早期退職した男は、ダム建設に揺れる過疎の村で理想郷を見つけた。俺の人生はやり直せる。この奇跡の村でなら――
日本一のワイナリーにジャム工房、モネの絵のような睡蓮の庭……この谷をダムの底に沈めてはならない。ここには人を活かし幸せにする何かがある。
辻原登氏、?樹のぶ子氏、伊集院静氏の選考委員一致で受賞が決まった第8回日経小説大賞受賞作!

日経小説大賞(日本経済新聞社・日本経済新聞出版社共催)で、昨年の第8回受賞作に選ばれたのは、「再出発」の物語。別れ、老い、病、失業、失恋、若き日の挫折……一度は希望をなくし、何かをあきらめてしまった人が希望を得て「再出発」をはかる時に欠かせないもの。それは、自分が社会に活かされているという充実感、そして自分を受け入れてくれる仲間の存在。
第二の人生を見つける人たちの物語と、限界集落という「あきらめ」の中で新たに生まれ変わろうとする山あいの小さな村の物語がシンクロし、「あきらめ」と「嫉妬」が支配し閉塞感が漂う日本という国の希望まで見通す物語となっている。

<あらすじ>
山梨県北部の山あいの過疎の村が舞台。大水害に見舞われたことを受けて半世紀前に計画されたダム建設は中断しているが、ダムに沈みゆく土地の移転代替地では補償金を使い、高齢者介護・医療を目玉とする「シニアの郷」計画が進む。若年性認知症と診断された59歳の西澤亮輔は、都内の大手企業を早期退職して「郷」に移住する。自らの終の棲家とする条件に見合った場所だったからだ。しかし、施設はどこか暗く、西澤も老け込むばかりの毎日。
なぜダム建設が計画のまま中断されているのか。それは水没予定地に留まり、ダム建設に反対する1%の人々がいるからだった。その集落は村人から「姥捨て村」と呼ばれ、完全に孤立している。しかし、そこには水害で母や弟妹を失った過去を持つ男が営む「日本一のワイナリー」があるという。のだ。ある日、思い立って西澤が訪ねると、理想郷のような風景が広がっていた。

プロローグ

第1章

第2章

第3章

第4章

エピローグ

太田 俊明[オオタトシアキ]
作家
1953年千葉県松戸市生まれ。東京大学在学中、硬式野球部の遊撃手として東京六大学野球で活躍。卒業後は総合商社、テレビ局に勤務し、2013年に定年退職。15年、第7回日経小説大賞最終候補。

内容説明

半世紀前の水害で甚大な被害を受けた山梨県北部の過疎の村。ダム建設計画は中断したままだが、その補償金を使い高齢者介護・医療を目玉とする「シニアの郷」計画が進んでいる。初期の認知症と診断された都内の大手企業に勤務する59歳の男が、早期退職して「郷」に移り住んだ。美しいが、どこか暗い。立ち入り禁止区域の水没予定地に反対派が留まっているからか?そこには「日本一のワイナリー」があるという。ある日、男が思い立って訪ねてみると、理想郷のような風景が広がっていた。

著者等紹介

太田俊明[オオタトシアキ]
1953年千葉県松戸市生まれ。東京大学在学中、硬式野球部の遊撃手として東京六大学野球で活躍。卒業後は総合商社、テレビ局に勤務し、2013年に定年退職。15年、第7回日経小説大賞最終候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

72
太田俊明さん、初読み。ダム建設と村おこしとシニアの生きがいを絡めたようなお話でした。面白く読めました。2017/04/09

Tsuyoshi

66
姥捨て山の言い伝えがある山梨県新穂村においてダム建設予定に反対する一部の村民達が6次産業によるアピールを武器に建設中止に持ち込むまでの戦いを描いた作品。表紙やタイトルとは全く違うシリアスで壮大な展開に面食らうも、孤軍奮闘する村民達に引き込まれて一気読み。過疎地や老後の可能性においても希望をもらえる話だった。2017/12/11

ナミのママ

63
第8回日経小説大賞受賞。限界集落・認知症・ダム建設、なんとまぁ盛り沢山なこと!でも今回の受賞作は面白そうと手にしたら、一気読みでした。書評めいてしまうのですが、構成がとても読みやすい上に、テンポが早く、登場人物が面白いです。実際にはこんなうまくいくはずないし、こんないい人ばかり集まるはずもない、と思いつつ、小説の中だけは夢を追いたいという思いを見事に書いてくれた感じです。題材になっている社会問題は重苦しいですが、みごとに楽しい一冊です。映像になっても楽しめそうです。2017/04/13

Yunemo

57
表題から思い描く物語と違っておとぎ話として満足感。大筋は、社会保障費、税金の吸い上げと矛盾した補償金としての使用に。現実問題としての大きな国家的課題、特に過疎化地域において顕著になってます。高齢者の生き方の問題、人生はやり直せるものなんだな、と改めて実感として。父と娘の関係、妻から娘へ繋がれた父への想い、何となくホッとして。簡単に自給自足経済は成り立ちませんが、確実に来る超高齢社会、生き方論の一つとして思い描けます。それより50歳台で初期の認知症と診断されたら、自身はこんな生き方できますか?ちょっと不安。2017/05/14

itica

55
期待通り面白かった。ダム建設推進派と一握りの反対派。村から無視され続ける人々は、ダムの底に沈む運命の地でワインを作り、美しい風景を守り続ける。そして、ひょんなことから関わることになった、若くして認知症を発症した男。国の融通の利かない政策や、幅を利かせる村の実力者。問題続出の中にあって、冷静に対処するリーダーの姿がかっこいい。しかし過疎地域問題、高齢化社会、自然の脅威と考えさせられるところも沢山あった。 2017/05/26

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