武士道の誤解―捏造と歪曲の歴史を斬る

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532169954
  • NDC分類 156
  • Cコード C0021

出版社内容情報

異常事態だった殉死、江戸時代は無名だった『葉隠』、孫子を嫌った新井白石--。捏造、歪曲されてきた武士道の知られざる軌跡を追う

内容説明

武士道の代表的書とされる『葉隠』が世に広まったのは太平洋戦争直前、「忠臣蔵」はサラリーマン化した武士への庶民の面当て、卑怯な考えとして『孫子』を忌避した新井白石、殉死は江戸時代初期の異常現象―。太平記、甲陽軍鑑といった古典から橋川文三、三島由紀夫まで、武士道がいかに歪曲・誤解されてきたのかを様々なエピソードを交えて解説する、思いもよらぬ事実が満載の本。

目次

第1章 誕生―「もののふ」から「武士」へ
第2章 江戸期に衰退した「武士道」
第3章 平和の時代のルール―「サラリーマン士道」登場
第4章 江戸期、『孫子』の読まれ方
第5章 明治期の復活―「忠節」の対象は何か
第6章 新渡戸稲造『武士道』―見事な解釈
第7章 『葉隠』の出現―「死ぬ事」と「忍ぶ恋」と「まぼろしの世」と

著者等紹介

清水多吉[シミズタキチ]
1933年会津若松生まれ。東京大学卒業、同大学大学院修士課程修了、立正大学教授、ニューヨーク・ホウフストラ大学客員教授、東京大学、名古屋大学、静岡大学、早稲田大学、神奈川大学、立教大学、法政大学で非常勤講師、社会思想史学会会長を歴任、現在、立正大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tom

13
図書館の新着棚にあったので借りてきた。「葉隠」に書かれた武士道についての歴史的背景からみた解説本。「葉隠」は、戦前までは、全く注目されていなかった本。内容は、殿様が死んで、後追い自殺をしようとしたけれど、許されず、坊主になってしまった男からの聞き取り。彼は、好きなように生きたらよいと書いている。ところが戦争が激しくなって、兵隊に死ねと教えるようになったとき、書中の「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」だけを取り出して、日本精神?の鏡としたとのこと。まあ、ときの権力機構のご都合主義本ということらしい。2016/09/08

yo

4
武士の黎明から、戦国武士の気概、江戸期の変節、明治期に再生し、戦後に向かっていく「武士道」の各諸相を整理する。題には「捏造と歪曲の歴史を斬る」などとセンセーショナルに書いているが、何も「歪曲しやがって!」と何か・誰かを悪者にして論じているわけではない。正確な姿が理解されていない現状には憤慨しつつ、だからこそ丁寧にその実情を解き明かすスタイルを貫いている。戦国時代の武士の有様と江戸時代の士道論のあたりまでは知っていたが、明治時代以降の武士道論は全然知らなかったので、とても面白かった。2017/04/01

Daisuke Sato

0
江戸時代の武士道はサラリーマン化しており、葉隠が世に出たのは大戦前であったこと、殉死禁止令など武士道も時代によって変遷してきた事がわかりました2017/10/09

0
武士道精神、侍スピリッツなどよく聞く言葉だが、士道とは本来の武士道とは、その変遷そして乖離が分かりやすく書かれている。 学生との対話形式になっているが、そうでない方がもっとすっきりしてわかりやすかったようにも思う。それでもかなり面白かった。2016/11/15

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