震災後のことば―8・15からのまなざし

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532168278
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0095

内容説明

戦後66年の光と影、3・11が投げかけたもの―戦争をくぐり抜けた思想家・文学者は語る。

目次

東京にいると、暗いんです(吉本隆明)
見習うべきモデルはない(中村稔)
無知で楽観するのは怖い(竹西寛子)
戦後66年は砂上の楼閣(野坂昭如)
負い目を忘れた日本人(山折哲雄)
明治の精神にかえれ(桶谷秀昭)
安泰が続くと言葉が崩れる(古井由吉)

著者等紹介

宮川匡司[ミヤガワタダシ]
1958年、千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、日本経済新聞社に入社。大阪社会部、東京文化部などを経て現在、文化部編集委員。文芸と美術を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

15
吉本氏は、3・11の方が戦時下よりも暗い雰囲気、というのは驚いた。東京の暗さは、富裕層しか子供を養えないためなのかもしれない。首都東京という場は、弱者(こども、お年寄り、女性、障がい者、外国人ら)を排除するためだろう。暗さという意味では、地方の方がなおも暗いのだが、限界を超えた地域は意外と、さっぱりと諦観して地域再生しかないと有力な支援者を得て実践している地域も少ないものの、顕在である。かっこー とか、鳥が囀っていれば、いいではないか。恰好だけではないのだ。中身なのだ。官僚のツイートと被災市民の齟齬深し。2013/06/16

キョウラン

13
森鴎外と夏目漱石を読めばもうこれ以上自分の生きる力になる日本文学はない、といいきる吉本隆明氏の言葉に感動。「それが文学の真髄なんです。鴎外だったら『雁』がいいと思います。漱石はもっとたくさん、やさしい意味でこれはいいっていう作品があります。(略)漱石や鴎外を読んでこれはもの足りんとか失望するっていうんだったら、それはあなたのほうがダメ(略)」えー!とにかく森鴎外と夏目漱石を読もうっと。2012/06/04

3939タスタク

9
戦中・戦後を生き抜いてこられた皆さんの重い言葉に、感銘と受けると同時に、尊敬の念を抱かずにはいられなかった。そんな皆さんでも、終戦時に受けた衝撃よりも今回の震災の方が、強い絶望感を抱いている事が判った。国は原子力エネルギー導入の際に、メリットだけを重視するだけではなく、デメリットもしっかり国民に説明する必要があったように思える。今後のエネルギー問題をどのように解決していくのか、それぞれの意見に真剣に耳を傾け、自らの意思で決断していかねばならない。2012/06/12

ふにゃ

3
これも良い本。この時点では、3.11を経て社会が変わるかもしれないという思いが共有されていた(「」内はまとめ)。/山折氏「共生は共死」。人は皆、共に死んでいく存在である。「過去への負い目も必要」とのこと。/竹西氏「広島・長崎の経験を忘れずにいてくれたら……」3.11前からも声を上げていた人はいた。私の仲間たちも声を上げていた。3.11が提示している課題は、3.11以前にもあったのだ。/古井氏「今は言葉が軽くなっている」。いろいろな語りを単に言葉遊びのように取り扱ってきた自分に反省。重い言葉もあるのだった。2013/06/21

yuzuriha satoshi

3
リアルに敗戦の日を迎えた先人たちが 戦後と3.11後を比較して語る 頷ける部分もあれば 賛同できない頑ななものの見方もある しかし「後」を生きてきたのは 「後」を生きて行くには 人が肉体として存在しなくてはいけない(バーチャルの“絆”に依るのではなく) ことは重く伝わってくる2012/10/17

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