「BC級裁判」を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 457p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532167523
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C3021

内容説明

勝者が裁いた日本軍の捕虜・市民虐待、非人道的行為…戦争の本質的恐ろしさを教えてくれると同時に、日本の組織とは何か、日本人とは何か、を教えてくれる。国立公文書館資料は「失敗学」の最高のテキスト。

目次

序章 「日本人の写し絵」としてのBC級裁判
第1章 無為徒食を許さず―捕虜の虐待
第2章 憤怒と非難の只中に―市民の虐待
第3章 斬首は博愛の情―裁かれた武士道
第4章 この罪、天地に愧ずべし―非人道的行為
第5章 戦争だから仕方ない―無差別爆撃の不条理
第6章 報復の連鎖を断つために

著者等紹介

半藤一利[ハンドウカズトシ]
1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋に入社。『週刊文春』『文藝春秋』編集長、専務取締役を経て作家に。『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、『ノモンハンの夏』で山本七平賞、『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞を受賞

秦郁彦[ハタイクヒコ]
1932年、山口県生まれ。東京大学法学部卒。現代史家。大蔵省入省後、米国留学、防衛庁勤務などを経てプリンストン大学客員教授、拓殖大学、千葉大学、日本大学教授を歴任。『昭和史の謎を追う』で第41回菊池寛賞

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、北海道生まれ。同志社大学文学部卒。ノンフィクション作家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。『昭和史講座』刊行などの昭和史研究で第52回菊池寛賞受賞

井上亮[イノウエマコト]
1961年、大阪生まれ。関西学院大学法学部卒業後、日本経済新聞社に入社。東京、大阪の社会部で警視庁、大阪府警、宮内庁、法務省などを担当。長岡支局長などを経て社会部編集委員。取材テーマは天皇、近現代史。元宮内庁長官の残した「富田メモ」報道で2006年度新聞協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ayumi Katayama

28
先日『「東京裁判」を読む』を読んで、次は『「BC級裁判」を読む』を読む。「BC級裁判」の方が気は重いことは想像に難くない。東京裁判は起訴28名、死刑判決7名。一方、BC級裁判は、逮捕25,000名以上、裁判件数2,244件、訴追5,700名、死刑判決984名。さらに東京裁判と違い虐待虐殺の直接実行者が被告であるため、凄惨な話にならざるを得ない。裁判で事実関係が争われることはない。ほとんどが、受命者、すなわち命令されて実行した者に罪はあるのかを問うている。2019/11/02

樋口佳之

12
「私は貝になりたい」のイメージが払拭される様々な残酷な事件。/戦時国際法の教育がなされなかったこと、捕虜になる事を禁じた戦陣訓、日本兵自体がまともな処遇を受けていない事、全く無責任な参謀、絶望的抵抗戦下の異常心理等々/2017/02/05

CCC

4
良著。論から例ではなくちゃんと例から論が組み立てられており、結論ありきな感じがない。共作なのもプラスに働いていたと思う。視点が多角的で、バランスが取れていた。そして何より分かりやすかった。それも、分かりやすい図式を作りそこに論を嵌めこんだような分かりやすさじゃない。ややこしく絡まっている現実をそのまま俎上に載せ、見解を作っていく。それで分かりやすい説明になっているのが凄い。全体ではなく一つ一つの事件をしっかりと見ていく方が、かえって全体を把握できることがあるが、これはその好例だと思う。2013/03/15

sawane tetsuro

3
BC級戦犯裁判の内容がいっぱい出てくる。太平洋戦争中の日本軍の残虐行為については、日本人はそんなことをしていないという人もいるようだが、この本を読むとそんなことを言っていられなくなると思う。裁判の記録を読み解いて、記録の背後にある事実までが伝わってくる。著者たちが対談を通して、真実に近づこうとしているのが理解できる。なるべくたくさんの人に読んでほしい。2014/10/10

nagoyan

3
優。井上亮が本文を書き、半藤、秦、保坂が参加した討議がつく。序章ではBC級裁判とはなにか、裁かれた戦争犯罪とはなにかなど俯瞰的にしめされる。あと、各章ごとに、捕虜虐待、一般市民虐待、「武士道」、生体実験や人肉食、無差別爆撃と軍事法廷(日本では「軍律法廷」)などの各主題ごとに事例が紹介・検討される。これをよめばBC級に報復的な要素があったとしても無理からぬと思う。連合軍側戦争犯罪が不問にふされたのは真に不公平だが、それをもって免罪符には到底できまい。「斬首は武士道」は当時普通の日本人にとっても賛同できまい。2010/08/21

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