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ドストエフスキーとの59の旅

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532167455
  • NDC分類 980.28
  • Cコード C0095

内容説明

13歳夏の『罪と罰』との出会い、連合赤軍事件と卒論での訣別、1984年ソ連の恐怖、「原点」からの再出発…世界文学の名作を現在の日本に甦らせた著者の自伝的エッセイ集。

目次

二〇〇八年十月、モスクワ、ロシア国立外国文献図書館
二〇〇七年二月、モスクワ、トヴェルスカヤ通り十二番
二〇〇一年九月、ザライスク、ダロヴォーエ
二〇〇一年九月、チェレマシニャー
二〇〇九年一月、東京、日仏会館
一九六二年八月、宇都宮
一九五八年二月、宇都宮
一九六六年十月、宇都宮
一九六八年五月、東京、西ヶ原
一九六八年六月、東京、西ヶ原〔ほか〕

著者等紹介

亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年栃木県生まれ。東京外国語大学学長。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。2002年『磔のロシア スターリンと芸術家たち』で大佛次郎賞、07年新訳『カラマーゾフの兄弟』で毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かごめ

20
人間は生物でありながら、肉体維持のためのパンと精神の自由のためのパンを必要とする。後者は恋愛であったり芸術であったり娯楽であったりする。そこには殺人も含まれる。「カラマーゾフ兄弟」「罪と罰」とドストエフスキーの殺人の意味を著者は散歩の途中の思い付きのように語る。「悪意」は平凡な生活にこそ潜むのか。他方、散漫にも思えるがスターリン時代のロシア、原爆、テロ事件、国家的犯罪についても書き綴る。ドストエフスキーは再読したくなったが…春にドストエフスキーは似合わない、と言い訳しておく。著者はナルシストだとも感じた。2018/04/08

踊る猫

12
五大長編を恥ずかしながらこれから読む身なので深いことは書けないが、思っていた以上にサクサクと読みやすい。それでいて中身はあっさりしたエッセイのようでありながら、やはりドストエフスキーを(最低でも『罪と罰』と『カラマーゾフの兄弟』を)読んでいないと楽しめない一冊のようにも思う。そのあたり残念なのでいずれリヴェンジしたいところ。とは言え亀山氏の自分語りのパートはそれはそれで面白く、ソ連時代スパイの容疑が掛けられたことなど興味深い話も多々あって氏の他の本も読んでみたくなった。まずは『罪と罰』から読んでみようか?2016/08/21

シッダ@涅槃

12
全体的に沈鬱なエッセイ集(ほとんど断章)だが、文学的な気分にさせてくれる。これから読まれる方はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』はおさえておいたほうが良い。えらく長い小説だけど。沈鬱だけど学生時代に夢中になったロシア人女優が「だー」(ええ、その通り)と発音するのが残念だった、などユーモラスな部分は少々ある。2016/01/10

matsu

6
本書のキーワードの一つである父殺しは重層的な構造を有している。ドストエフスキーには、実の父、神、皇帝、ヒョードル・カラマーゾフ、ステファン氏……、幾人もの「父」がいた。その死後も、父殺しと性欲を偏重したフロイトの影響が、烙印のように根強く残っている。そしてフロイトがそうであったように、父殺しは亀山氏の問題でもある。ドストエフスキーが本書の縦糸なら、横糸は「旅」であろう。旅は、親離れ、あるいはオイディプスの放浪のように、精神的な父殺しを暗示する。にも関わらず、著者の父についての描写はあまりにも少ない。2015/02/08

ちゅーとろ

3
ドストエフスキー(罪と罰など)を読んだのは遥か昔の中学生の時。著者ははじめて読んでから翻訳し現地をたずね研究・検討をしてきた人。このくらい読まないと理解がふかまらないのか。ドスとエクスキーにもロシアにも文学・文化にも自分の知的生活にも刺激があったエッセイ集だった。2023/01/13

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