内容説明
此の世のものとは思えない、人形浄瑠璃の新しい世界。人間の情念、性根を切り取った写真を、橋本治がストーリーに構成。
目次
1 男たち
2 女たち
3 此世の名残り夜も名残り
4 恋と忠義はいづれが重い
5 坂は照る照る鈴鹿は曇る
6 ようも此やうにむごたらしう
著者等紹介
河原久雄[カワハラヒサオ]
フォトグラファー。1948年生まれ。68年藤川デザイン学院(現、京都造形芸術大学)卒。三宅信吾氏に師事。大阪・日経広告写真部、札幌・凸版アイデアセンタースタジオを経て、84年、東京にてフリーとなる。広告写真の道を歩む一方、87年に「文楽」の撮影の機会を得る。以後22年間「文楽」の撮影に没頭する。国内外での展覧会、出展多数
橋本治[ハシモトオサム]
作家。1948年生まれ。東京大学文学部国文学科卒。77年『桃尻娘』で第29回講談社小説現代新人賞佳作受賞。以後、小説、評論、戯曲、古典現代語訳、エッセイ、芝居の演出等で幅広い創作活動を続ける。96年『宗教なんか怖くない!』で第9回新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で第1回小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で第18回柴田錬三郎賞、08年『双調平家物語』で第62回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2022/10/30
garyou
1
文楽の人形は生きているとよく云われるが、写真でもこんなに生きているなんてと見ていてゾクゾクした。おつるや三吉のいたいけないとけなさ。店先で呆けているお初のやるせなさ。ほおをつついたらぷよっとしそうな人形たち。河原久雄が文楽を見始めた時期と自分のそれとがわりと近いこともあって「あったあったこのお浄瑠璃」などと懐かしく眺めたが、しかし、自分はこんな風に見てはいなかった、こんな風には見られなかった、いまでも見られずにいると悔やむばかりである。2023/01/20
雨巫女
0
生きてる人のような人形にびっくり2009/06/13