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小松左京自伝―実存を求めて

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  • サイズ A5判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532166533
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0023

内容説明

1973年に発表した『日本沈没』が大ベストセラーとなり、2006年にはリメイク映画も公開され話題を呼んだ、日本SF界の巨匠・小松左京。その原点とも言える、戦後の焼け跡から始まった青春時代、文学との出会い、SF作家の道を歩むに至った契機とは、どのようなものだったのか?また、今なお輝き続ける膨大な作品群を生み出した執筆の舞台裏では、どのような着想や人々との出会いがあったのか?文学の枠を超え、宇宙とは、生命とは、そして人間とは何かを問い続ける作家の波瀾万丈の人生と創作秘話。

目次

第1部 人生を語る(「うかれ」な少年;焼け跡から始まった青春;空想と文学と恋;小松左京の誕生 ほか)
第2部 自作を語る(地には平和を/短編小説―一九六〇年代前半;日本アパッチ族/復活の日;果しなき流れの果に;さよならジュピター/宇宙小説 ほか)

著者等紹介

小松左京[コマツサキョウ]
1931年大阪生まれ。SF作家。京都大学文学部卒(イタリア文学専攻)。経済誌記者などを経て、1962年「易仙逃里記」が『SFマガジン』に掲載され、プロデビュー。1973年発表の『日本沈没』は第27回日本推理作家協会賞および第5回星雲賞日本長編部門賞を受賞し、400万部を超えるベストセラーに。ノンフィクション作品も多数。また執筆活動以外にも、「大阪万博」テーマ館サブプロデューサー、「花の万博」総合プロデューサー等を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

30
小松左京が77歳のときに書いた自伝。理路整然とした文章や自身の作品の根底に流れるもの(戦争体験)を客観視している姿からは老いを感じさせない。膨大な知識と類い稀なセンスが混じり合ったところに生まれたのがあのSF作品の数々。そりゃ面白いよな。知識は作品の礎となりセンスはそれを彩る。作家としてその二つを持ち合わせていることの素晴らしさを感じた。巻末の主要作品のあらすじも良いなあ。年末年始の休みは小松左京を読もう。2017/11/06

ひさか

24
2008年2月日本経済新聞出版社刊。第Ⅰ部人生を語る、第Ⅱ部自作を語る、特別編高橋和巳を語る、という構成。いつもパワフルな小松さんが、阪神大震災後の鬱の時期というのがあったのは知らなかった。高橋和巳さんとの深い親交も知らなかった。小松さんの自伝やっと読めた~という感慨があります。2021/12/14

阿部義彦

18
第1部が日経新聞に連載された『私の履歴書』に加筆修正したもの。第2部は小松左京マガジンの看板記事を再構成したものです。表紙の写真が示す如く当時の資料は全て紙の本が中心で、SFと言えどもファクトを重視して説得性を持たせるスタイルでしたので、読んだ書物の量は想像もつきません。『日本沈没』を書くにあたり、最初の電卓が12桁で十三万円で出たのを買って日本列島の重さを計算して沈めるエネルギーを概算しました。2部では聞き手も手練で深い所まで突っ込んでます。同期の高橋和巳との対比が際立ちます。思弁SFの祖。猫好き!2023/03/01

ぐうぐう

13
作家としての小松左京を形成していったのは、関西と戦争、そして高橋和巳であったことが、この自伝を読むとよくわかる。なんでもありの関西の土壌が小松の好奇心を多岐に渡らせ、過酷な戦時体験が「もし戦争が終わらなかったら……」というパラレルワールドな恐怖心を育み、高橋和巳という稀有な文学者がそばにいたことで小松の批評性を深化させていく。小松左京がSF作家になったことは、必然だったのだ。(つづく)2011/08/04

白義

10
戦後最大スケールの作家の自伝であり、つまり一つの巨大な視点から見た戦後精神史でもある。単純にファンから見ても、あの作品の続編構想や作品間の繋がりが!っていう驚きがあるし、それら膨大にして巨大な作品群の背景、エピソードもしっかり語られる。ダンテやドストエフスキーやカミュに影響を受け、宇宙規模の実存を問おうとした真の巨匠、小松作家の全てがここにある。巻末の主要作品前半のあらすじ紹介も、各作品への興味を存分に引き立てる。紛れもなく、戦後文学者の自伝でも最高レベル2011/10/08

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