出版社内容情報
道元は日本史上希にみる知の天才。日本人のバイブルとも言える『正法眼蔵』の魅力とは何か。「今のおのれの現実に徹すべし」という道元思想を、現代人の生き方論として大胆に読み解く。不安の時代を照らす指針の書。
詳しい目次
序 道元の魅力とは
一遍上人の「捨ててこそ」/宇宙と一体化した充実感/
坐禅は大安楽の法門なり/自然の中に永遠の真理をみる
1 母の死に出家を決意す
崩壊と動乱の時代に受けた生/幼児に母親の死にあった無常観/
潔癖さと正統性のあくなき追求/最も劇的な思想の人
2 坐禅にこそすべてがある
「正法」から「末法」の時代に/坐禅だけが正門である/
人を救う「弘法救世」の決意/信じない者には理解できない/
正しい修行をすることが肝心
3 身心脱落(しんじんとつらく)すべし
作仏を図することなかれ/考えられないことを考えよ/
悟りを得るために坐禅するのではない/
捨てようという気持ちすら捨てる
4 一瞬一瞬の「いま」が大事
直感的、感覚的な真の世界/生は生、死は死、前後際断せり/
真実は向こうからやってくるもの/自己をわすれよ/
「風はどこにでもある」という意味
5 すべて変わるも、変わらぬ真理
東洋的な自然観/「いま」にすべてが存在する/
山は常に動いている/宇宙は成長・消滅のやむときがない/
矛盾を超えた真実/水はどんなにかたちを変えても不変/
賢者・聖人は山水となる
6 悟る時、自然と一体化する
何かをパッと感じるときがある/宇宙の根源と一体化する境地/
死力を尽くして自分を捨て切る/己が悟ったのか、山水が悟ったのか/
小石が竹にカーンと当たったその瞬間/自然の「永遠性」に触れる
7 真実はおのれの内にあり
祖仏が伝えてきたもの/生まれながらに備わった心の鏡/
「修証一如」につながる考え方/知覚するとはどういうことか/
仏の悟りと己の悟りとの関係/自分というものを超えた境地
8 そこにある現実を直視せよ
煩悩があるから幻の華をみるのか/何が実で何が虚なのか/
幻の華も真実である/本当のものを見きわめる眼力
9 死を受け入れて生きる
死は逃れようがないもの/「生も死もひとときのくらいなり」/
今という瞬間に全力を尽くす/ただわが身をも心をもはなちわすれる
[道元略年譜]
内容説明
「人生哲学」の極致ともいえる『正法眼蔵』。「生きる力」と「救い」を与える道元の神髄。
目次
序 道元の魅力とは
1 母の死に出家を決意す
2 坐禅にこそすべてがある
3 身心脱落すべし
4 一瞬一瞬の「いま」が大事
5 すべて変わるも、変わらぬ真理
6 悟る時、自然と一体化する
7 真実はおのれの内にあり
8 そこにある現実を直視せよ
9 死を受け入れて生きる
著者等紹介
栗田勇[クリタイサム]
1929年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業、55年同大学院修了。78年『一遍上人』(新潮社)で芸術選奨文部大臣賞受賞。芸術・宗教・思想と幅広い分野で創作・評論活動を展開。近年は仏教を基盤とした日本精神文化についての著作が多い
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kumako
kera1019