自由と経済開発

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  • サイズ B6判/ページ数 426p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532148294
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C3033

出版社内容情報

グローバル経済の中で、世界中の人類が等しく貧困を免れるにはどうすればよいのか。開発経済学の第一人者として、98年にノーベル経済学賞を受賞し、「経済学のマザーテレサ」ともいわれる著者の思想の集大成。


目 次

はじめに
謝  辞
序 章 自由としての開発
第1章 自由についての見解
第2章 開発の目的と手段
第3章 自由と正義の基礎
第4章 潜在能力の欠如としての貧困
第5章 市場、国家、社会的機会
第6章 民主主義の重要性
第7章 飢饉、その他の危機
第8章 女性の能動的な力と社会変化
第9章 人口、食料、自由
第10章 文化と人権
第11章 社会的選択と個人の行動
第12章 社会的目標としての個人の自由
訳者あとがき
原注
原注人名索引
本文人名索引
事項索引

内容説明

倫理なき経済学への警鐘。成長最優先の開発に異議を唱え、貧困からの自由や政治的自由を重視する画期的な開発理論の集大成。1998年度ノーベル経済学賞受賞。

目次

序章 自由としての開発
第1章 自由についての見解
第2章 開発の目的と手段
第3章 自由と正義の基礎
第4章 潜在能力の欠如としての貧困
第5章 市場、国家、社会的機会
第6章 民主主義の重要性
第7章 飢饉、その他の危機
第8章 女性の能動的な力と社会変化
第9章 人口、食料、自由
第10章 文化と人権
第11章 社会的選択と個人の行動
第12章 社会的目標としての個人の自由

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

57
この本をどのような読み方にするかの位置づけによって評価はかなり変わると思われます。教科書として読むならば原書のほうがいいのでしょう。というのは、レビューアーが書かれているのですが細かなところで少し訳が違っているところがあるようです。表題からして変わっていますがこれは日経新聞社の方針でしょう。序章ではきちんと「自由としての開発」とされているので売らんかなでしょう(センがノーベル賞を受賞したことも)。センの考え方を知るために通読するのであれば別にあまり気になりません。様様な自由を獲得する手段としての開発です。2015/07/31

壱萬弐仟縁

27
まだ感想がないので。開発とは、人が享受する本質的自由を増大させるプロセス(1頁)。開発は、暮らしと人間が享受する自由の向上にもっと深くかかわるものでなければ(13頁)。失業は個人の自由、自主性、技能を広範に不安定化させる影響力の原因(20頁)。潜在能力は、人が価値あると考える生活を選ぶ真の自由(83頁)。所得貧困と能力貧困(池上惇名誉教授が玉稿でも触れられていた):所得を得て、所得貧困から自由になる能力も増大。潜在能力は、生産性と所得獲得力の拡大と一緒に向上する(104頁)。2016/06/17

masabi

11
開発とは自由の発展であるという理念から従来支配的だったともすれば政治的自由よりも経済開発発展のほうが重要だという主張に真っ向から反論する。基礎教育、医療衛生の整備が経済成長の礎になるのでありそれを疎かにすることは長期的な視野から見ると失策に過ぎない。これをよく表しているのが日本の成長でありインドの成長の停滞である。インドは基礎を疎かにしたため、継続した発展に至らなかった。教育に関して女子教育を徹底することである。2014/07/21

うえ

10
「非西欧社会に関する西欧での議論は多くの場合、権威者ー知事、閣僚、軍事政権、宗教指導者ーに敬意を払いすぎる。この権威主義的傾向は次のような事情によって強まるのである。すなわち、国際会議などで、西側諸国自身が政府高官やそのスポークスマンによって代表されていることが多く、彼らは他国で自分の立場に相当する相手方の意見を求めることになるからである。…アジア的価値に関する権威主義的な主張に関しては、アジア諸国で過去に擁護されてきた価値には途方もない多様性が含まれていることを認識しなければならない。」2019/08/17

roughfractus02

3
原題はDevelopment As Freedom。開発であり発展を自由として捉える本書は、経済学的スキルを用いつつ不自由から自由を得る要素を著者の母国インドを例に検討する。飢えからの脱出、所得増加、識字率向上、政治参加の実現、男女差別の減少等は、個々が持つべき自由の潜在性を高めることで獲得される、と本書は言う。特徴的なのは、著者が行動と決定を許す自由と社会的個人的状況下で持つ自由を分ける点だ。こう捉えると、人々が持つべきと考える本質的自由をテーマとし、その潜在能力の生かし方に対する経済分析が可能になる。2020/06/27

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