内容説明
誤った固定観念を一刀両断!「国と国とが競争をしているというのは危険な妄想」「アジアの奇跡は幻だ」―。L.サローら世界的に著名な識者でさえもが囚われる俗流経済論の誤りを鋭く究明。目からウロコが落ちる若手NO.1経済学者の痛快評論。
目次
1 ゼロ・サム社会の幻想(競争力という危険な幻想;反論に答える ほか)
2 良い経済理論と悪い経済理論(アメリカの競争力の神話と現実;経済学の往復外交―ローラ・ダンドレア・タイソン著『誰が誰を叩いているのか』書評 ほか)
3 新興経済圏(常識への挑戦;NAFTAの実体 ほか)
4 技術と社会(技術の復讐;世界経済のローカル化)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みみずばれ
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国家が企業のように他国と競争しているという素朴な常識が経済学的に誤りである事を一般の人に広めるために出版された本。20年前のアメリカの本なのでそのまま今の日本に当てはめる事が可能か注意は必要だが、国際競争に負けているから日本は不況なのだという物言いはよく耳にするし、そう言われた時にそれが本当か疑う人は少ないのではないか。また、本書は正しい経済学知識を持たない者が世間の経済議論をリードしていること、そのような者が政権内にまで入り込んでいることを厳しく批判している。これも日本でよく見られる光景なのではないか。2014/01/30