内容説明
豊かな自然に恵まれているにもかかわらず、いまや風前の灯状態に陥っているわが国の農林水産業を復活させるには何が必要か。「政府の失敗と市場の失敗」の観点から問題点を浮き彫りにし、具体的改善策を展望する、待望の一書。
目次
第1部 農業(農業における市場の失敗と政府の失敗;政府の失敗(1)―農地法による参入抑制
政府の失敗(2)―農協事業分野への新規参入抑制
市場の失敗対策―農地の有効利用)
第2部 林業・水産業(林業における政府の役割;日本水産業の現状と課題)
著者等紹介
八田達夫[ハッタタツオ]
1943年生まれ。66年国際基督教大学(ICU)卒業。73年ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了。オハイオ州立大学助教授、埼玉大学助教授、ジョンズ・ホプキンス大学教授、大阪大学教授、東京大学教授、ICU教授等を経て。現在、政策研究大学院大学学長
高田眞[タカダシン]
1974年生まれ。97年信金中央金庫入庫。内閣府出向、信金中央金庫総合研究所主任研究員等を経て。現在、信金中央金庫信金業務支援部調査役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
1
14-52赤56★5・第一次産業に必要な政策を、市場と政府の役割分担という観点から分析し、この産業を「若者が参入する産業」へと転換するための諸政策を提言する。林業水産業を含む第一次産業!ここが問題点。政策研究大学長。農業分野主査と事務局幹事の闘争。守旧派・官僚いわゆる士大夫VS.理論武装!規制改革派の八田&髙田・豊かな自然に恵まれているにも関わらず、長年の政策失敗により風前の灯状態にある日本の農林水産業。総合的視座から復興再生するには何をなすべきか、現状を探るとともに活性化への可能性を提言する。(^0^)2011/01/24
posmoda
0
日本の農業、水産業、林業について、それぞれバランスよく現状、歴史、問題点を解説してくれている。産業が転ぶときには「市場の失敗」「政府の失敗」という阻害要因があり、それらを取り除き産業従事者が意欲を持って取り組めるようにすることが基本となる。とてもよく勉強になる良書。この本を出発点に各論、各視点を深めて学んでいきたい。2015/06/24
pierre-morgan
0
現在の日本の農林水産業に対する危機感から執筆された一冊だと思います。その真摯さは評価しますが,新規参入のための規制を緩和すれば問題が解決・軽減するというのは,ちょっと乱暴な議論だと感じました。それから,データの正確さや言葉の正確さが重要な本なのに,あまりに誤記が多いので,早急に修正することを望みます。2011/03/07
offsprin10
0
<水産業について興味があったので、それのみについての感想> 著者が水産専門家でもなく、理系でもなかったので客観性のない内容かと思ったが、水産庁が発表しているデータや水産先進国であるノルウェーに詳しい人物からの確かな情報が満載でとても納得できる且、勉強になる一冊だった。 日本の水産業の問題点を浮き彫りにし、それを改善するためのアイデアを提案し日本の水産業を変えなくてはという熱い気持ちを感じさせてくれた。 しかし日本の水産業の暗い面だけでなく、明るい面もあるということも教えてくれ希望も与えてくれた2011/02/19