出版社内容情報
★「週刊ダイヤモンド・2008年ベスト経済書」第1位
★「週刊東洋経済・2008年経済・経営書ベスト100」第2位
内容説明
政策の目的、決定プロセスから金融調節、運営の実際まで、実務を熟知した金融界きっての理論家が国際比較を交えて金融政策を体系的に解説。量的金融緩和政策、ゼロ金利政策など最新の論点も的確に記述する決定版テキスト。
目次
第1部 金融政策の目的は何か?
第2部 誰が金融政策を決定するか?
第3部 金利の誘導とは何か?
第4部 金融政策をどのように運営するか?
第5部 適切な金融政策運営には何が必要か?
第6部 近年の金融政策運営をめぐる論点
著者等紹介
白川方明[シラカワマサアキ]
京都大学公共政策大学院教授、東京大学金融教育研究センター客員研究員。1949年生まれ。72年東京大学経済学部卒業、同年日本銀行入行。日本銀行信用機構局信用機構課長、企画局企画課長、ニューヨーク駐在参事、金融研究所参事、金融市場局審議役、企画室審議役、日本銀行理事等を経て、2006年より現職。シカゴ大学留学(MA)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなと
2
普段、意識していない日銀の存在を認識するきっかけになりました。特にB/Sが興味深かったです。全体的に私の読解力では難しかったけど、良書であることは感じ取れました。かえすがえすも実力不足が無念です。2009/09/30
koji
1
日銀の役割は、管理通貨貿易制度の下で、物価、金融システムの安定を実現することですが、グローバル化の進展と共に複雑化する経済状況の中で、短期金利を出発点とする伝統的な日銀政策とマネーサプライを出発点とするマクロ経済論の対立等興味深い論点が控えめで丁寧な筆致で語られています。しかし本書の白眉は、p421にある「中央銀行の専門能力を支える組織と人をいかに作るか、そしてリサーチバンキングを重視する組織文化をいかに継承していくか」という進言です。私は、全ての組織に繋がるこの言葉を胸に本書を閉じました。2010/11/13
駒場
0
日銀総裁が書いた金融政策の本だ!と思って読み始めたのですが、これを書いた後に総裁になったんですね(無知)量的緩和は「非伝統的」金融政策であって、王道はやはり金利誘導なのだという点、マネーストック統計はどう扱えばよいかという点、為替介入と金融政策についてを重点的に読んだが、流石の情報量と分かりやすさでした。熟読の必要はあるけど2014/12/11
horihorio
0
本書を執筆の後に中央銀行総裁になり、結果的に総裁が書いた中央銀行のお話、となった書籍。マクロ経済は財政面と金融面との両輪で成立しているが、金融面を支える理論とその実践に関して、本書はよくまとまっており、マクロ経済を考える上で得るものが多かった。また、中央銀行の専門能力を支える組織・人・文化への言及はさすがと思った。 この金融面に比べて、本書すら読んでないという財政面は心もとないのだが…。2012/07/15
koji2
0
日銀の役割は、管理通貨貿易制度の下で、物価、金融システムの安定を実現することですが、グローバル化の進展と共に複雑化する経済状況の中で、短期金利を出発点とする伝統的な日銀政策とマネーサプライを出発点とするマクロ経済論の対立等興味深い論点が控えめで丁寧な筆致で語られています。しかし本書の白眉は、p421にある「中央銀行の専門能力を支える組織と人をいかに作るか、そしてリサーチバンキングを重視する組織文化をいかに継承していくか」という進言です。私は、全ての組織に繋がるこの言葉を胸に本書を閉じました。2010/11/13