日経文庫
日本の雇用と労働法

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  • サイズ B40判/ページ数 241p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784532112486
  • NDC分類 366.21
  • Cコード C1234

内容説明

働く現実と法の関係をトータルに理解する。雇用管理、人事・賃金制度、労使関係など日本の特質と問題点を丁寧に解説した画期的入門書。

目次

1 日本型雇用システムと労働法制
2 雇用管理システムと法制度
3 報酬管理システムと法制度
4 労使関係システムと法制度
5 日本型雇用システムの周辺と外部
6 日本型雇用システムの今後

著者等紹介

濱口桂一郎[ハマグチケイイチロウ]
1958年大阪府生まれ。1983年東京大学法学部卒業、同年労働省に入省。欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院厚生労働調査室次席調査員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授等を経て、現在、独立行政法人労働政策研究・研修機構労使関係・労使コミュニケーション部門統括研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kotte

14
日本型雇用システムを「メンバーシップ契約」と定義した濱口桂一郎先生の著書です。「日本の労働法制と現実の労働社会が、お互いどのように関係し合いながら構築されているのか」がよくわかる労働法入門書で、「現在日本の労働法制を理解する」ために役立ちます。労働法初学者や、実際に労働法制の適用を受ける社会人におすすめの本です。2017/02/06

富士さん

8
なぜ日本の雇用制度は現在のようになっており、労働者はそれを当然のものとして受け入れているのかが丁寧に説明されており、現状認識と議論のたたき台を得るには絶好のものだと思います。特に歴史的な過程は重要で、現在の雇用制度の常識はせいぜい100年を超える程度の歴史しかなく、しかも確立してからは50年程度でしかないことは、労働関連の議論における前提として理解されるべきことです。そして、労働は非正規こそが基礎的な形態であって、景気の変動によって意味に多少の変化はあっても、常に存在し続けたことも重要な指摘です。2024/03/17

かつばやし

6
ゼミの輪読用文献。入門書ながら取り扱う領域は幅広く、日本の労働制度全体を俯瞰的に見る上で良書だ。新規学卒採用、退職・解雇、人事異動、教育訓練といった日本的雇用システムに特徴的な制度や、女性労働、非正規雇用、中小企業労働の変遷などを戦前までさかのぼり丁寧に解説している。「メンバーシップ契約」をキーワードに日本的雇用のほとんどが説明できることを改めて実感。変容しているといわれる日本的経営だが、その根本は今後も長く維持されていくだろう。東大の秋入学など教育機関の新たな試みは日本的経営を崩す起爆剤となりうるのか。2012/01/31

Yasomi Mori

5
日本の労働環境をめぐる問題の本質が、 法制度は欧米諸国とおなじ「ジョブ型雇用」(職務を明示した上で契約)を前提としているにもかかわらず、じっさいの採用の現場では戦前同様の「メンバーシップ型雇用」(契約時には職務を限定せず、職務異動を要請することで雇用を継続)が維持されている点にある、という説明は非常に説得的。 労働時間規制についても、本来は「物理的時間の規制」であったはずが、残業代未払いの賃金問題に矮小化されているといった指摘など、著者ブログで言及されている各種論点をすっきり整理できる意味でもよいです。2013/11/16

takizawa

5
背景にある歴史的な経緯や社会問題から丁寧に論じている労働法の入門書。正規/非正規・大企業/中小企業間の格差は戦前から形を変えて繰り返されてきたもので、現代になって突然格差社会が始まったわけではない。歴史をねつ造するかのような言説は見極めないといけないなー。2012/02/16

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