出版社内容情報
《内容》 本巻では,精神鑑定の重要な事例を収載した.「歴史編」では国内外の歴史的に著名な鑑定例を紹介.「実際編」では,鑑定周囲の諸問題や責任能力判定の問題について論じた.
《目次》
1 歴史編
[A日本の鑑定例から]
相馬事件(1885)
大津事件(1891)
石田昇の殺人事件(1918)
虎ノ門事件(1923)
阿部定事件(1936)
大本教事件・出口元男(1938)
小平事件(1945)
大川周明事件(1947)
帝銀事件(1948)
弘前事件(1949)
金閣寺放火事件(1950)
高知県における大量殺人事件(1963)
ライシャワー大使刺傷事件(1964)
連続射殺魔事件(1968)
大久保清事件(1972)
ピアノ殺人事件(1974)
新宿西口バス放火事件(1980)
深川の通り魔事件(1981)
[B海外の鑑定例から]
ピエール・リヴィエール(1835)
マクノートン事件(1843)
ルートヴィヒ2世の精神鑑定(1886)
ダニエル・シュレーバー(1900)
セオドア・ルーズヴェルト大統領暗殺未遂(1912)
教頭ヴァークナーの大量殺人(1913)
ビリー・ミリガンと多重人格(1977)
ルイ・アルチュセールの妻殺し(1980)
レーガン大統領暗殺未遂(1981)
2 実際編
[A精神鑑定を考える]
精神鑑定は何を語るか―筆者の鑑定例から
司法精神鑑定と精神科臨床
司法精神医学の基本問題―刑事精神鑑定を中心に
[B妄想性障害と鑑定]
パラノイア,妄想性障害例
家族4人を殺害しようとした妄想性障害の女性例
[Cてんかん・器質性障害と鑑定]
てんかん発作による窃盗累犯の鑑定例
症候性全般てんかん(顔面母斑を欠くSturge-Weber症候群の一特殊型)の精神鑑定例
殺人者にみられた微細脳器質性変異(MiBOVa)
[D人格障害・うつ病と鑑定]
通貨偽造・強盗殺人等被告事件
うつ病男性の無理心中未遂殺人の鑑定
[E健忘・詐病と鑑定]
飲酒後の健忘をめぐって
「健忘」にかかわる刑事精神鑑定の3事例
有機溶剤・覚醒剤複合乱用者が交際相手の女性を殺害した事件の鑑定例
詐病が疑われた一鑑定例
[F訴訟・契約・贈与・遺言と鑑定]
訴訟能力と契約能力に関する精神鑑定例
こころに残る鑑定例 鑑定の醍醐味―論争
認知症が疑われる86歳の女性が作成した自筆証書遺言の有効性が否定された事件
[G犯罪被害者の鑑定]
強姦被害者の精神状態の鑑定例
[H鑑定と文化・社会]
ムジナ憑き殺人事件
中国残留孤児の家族に起こった出来事
3 鑑定と司法
裁判官からみた精神鑑定
検察官からみた精神鑑定
弁護士からみた精神鑑定
法学者からみた精神鑑定