MATLABによる制御系設計

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  • サイズ A5判/ページ数 330p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784501319403
  • NDC分類 548.3
  • Cコード C3055

出版社内容情報

本書は,基礎編の「MATLABによる制御理論の基礎」の「まえがき」でも述べたように,制御系設計ソフトウエアとして世界的に普及しているMATLABの日本における販売権を有するサイバネットシステム(株)社からの依頼で執筆したものである.「MATLABによる制御理論の基礎」と本書の「MATLABによる制御系設計」は本来は1冊のものとして書かれたものであるが,便宜上,分離したことをお断りしておく.したがって,2冊ではじめて著者の意図が伝わるような内容になっており,はじめて制御を学ぶ学生の人から企業・研究所で設計開発に従事する技術者・研究者の方まで使えるような内容であり,かつ,最近の制御系設計法であるロバスト制御の設計法に関して設計の立場からその手順を平易に記述している.
 本書をまとめるにあたっての基本姿勢は,周知のように制御理論と制御系設計法は内容においてきわめて深遠,かつ,多岐に渡っており浅学の著者らで全体をカバーすることは到底無理であるため,著者らが日頃,制御系設計法として馴染んでいる内容に限定して記述したことである.そして,本書の特徴は(1)制御理論の基礎を学んでいることを前提に,主要な制御系設計法の特徴と手順を解説し,とくに実用的な視点からまとめていること,(2)各章にMATLABのサンプルプログラムを掲載して,制御理論と設計法をMATLABのプログラムを実行しながら理解できるように努めたこと,(3)振動制御と位置決めサーボ系のベンチマーク問題についてページを割いて詳述していること,(4)ベンチマーク問題も含めて,すべてのプログラムをCD-ROMにまとめ添付していることなどで,とにかく新しい視点と新しいタイプの大学院レベルの教科書とすべく努力したつもりである.結果がそうであるかどうかはご批判を仰ぎたい.なお,掲載プログラムについては十分推敲されていない部分もあることをお断りしておく.
 執筆分担は以下のようである.
 野波:1章,2章,7章,8.1節-8.2節,9.4-9.5節,10.2節,10.4-10.5節
 西村:3章,4.1-4.3節
 平田:4.4節,5章,6章,8.3節,9.1-9.3節,10.1-10.2節
 最後に,このような機会を与えて頂き,計画から3年近い間,ひたすら忍耐と寛容で出版をお待ち頂いたサイバネットシステム(株)の鹿倉 潔氏および東京電機大学出版局編集課の植村八潮氏に慎んでお礼とお詫びと申し上げます.
  1998年6月

著者代表  野波健蔵

第1章 はじめに
1.1 最近の制御技術の動向
1.2 最近の制御系設計の動向
1.3 厳密モデルと設計モデル
1.4 制御系設計の基本的視点

第2章 安定化を目指す制御系設計
2.1 根軌跡法による補償器の設計
2.1.1 定常偏差を改善するための直列補償
2.1.2 過渡特性改善のための直列補償
2.1.3 定常偏差と過渡応答の両方を改善するための直列補償
2.2 ボード線図による補償器の設計
  2.2.1 Ziegler-Nichols法
  2.2.2 解析的設計法
  2.2.3 位相補償器の設計法

第3章 評価関数の最適化を目指す制御系設計
3.1 線形2次形式評価規範による制御系設計
  3.1.1 最適レギュレータ
3.1.2 最適レギュレータの安定性とロバスト性
  3.1.3 極配置領域指定法
3.2 確率的最適制御理論による制御系設計
  3.2.1 最適フィードバック制御と定常応答
  3.2.2 周波数整形LQG 
  3.2.3 カルマンフィルタ
  3.2.4 ロバストオブザーバ(LQG/LTR)
  3.2.5 H2制御
3.3 出力フィードバック制御

第4章 外乱抑制を目指す制御系設計
4.1 振動制御問題における外乱相殺
4.2 外乱包含制御
4.3 ロバストサーボ系,LQI制御
4.4 モーションコントロールにおける外乱オブザーバ

第5章 H∞制御によるロバスト制御系設計
5.1 H∞制御問題の定式化
5.2 各種制御問題とH∞制御
 5.2.1 外乱抑圧制御
  5.2.2 ロバスト安定化問題
  5.2.3 ループ整形と混合感度問題
  5.2.4 サーボ問題
  5.2.5 極領域指定問題
5.3 H∞制御器の解法
5.4 1自由度振動系に対する設計例
  5.4.1 混合感度問題
  5.4.2 入力端外乱を用いた混合感度問題
5.5 MATLAB コマンド
 5.5.1 H∞制御器の計算
 5.5.2 H∞ノルムの計算

第6章 μ設計法によるロバスト制御系設計
6.1 構造化摂動
6.2 構造化特異値μ
6.3  線形分数変換(LFT)
 6.3.1 上側線形分数変換
 6.3.2 下側線形分数変換
6.4 パラメータ変動のLFT表現
 6.4.1 ブロック線図による方法
 6.4.2 ディスクリプタ形式による方法
6.5 構造化変動に対するロバスト安定化制御
6.6 ロバスト制御性能問題とμ
6.7 D-Kイタレーション法によるμ設計
6.8 MATLAB コマンド
 6.8.1 LFT の計算
 6.8.2 μ解析
 6.8.3 D-Kイタレーションによるμ設計

第7章 スライディングモード制御によるロバスト制御系設計
7.1 スライディングモード制御の考え方
7.2 切り換え超平面の設計
 7.2.1 極配置法を用いた設計法
 7.2.2 最適切り換え超平面の設計法
 7.2.3 システムの零点を利用する設計法
 7.2.4 周波数整形による設計法
 7.2.5 H∞制御理論およびμ設計理論による設計法
7.3 スライディングモードコントローラの設計
7.4 チャタリング防止の設計
7.5 スライディングモードサーボ制御系の設計
 7.5.1 等価制御入力
 7.5.2 スライディングモードのロバスト性
 7.5.3 スライディングモードコントローラの設計
7.5 MATLABコマンド

第8章 離散時間制御系の設計とDSPへの実装
8.1 連続時間制御系と離散時間制御系
8.2 離散時間制御系の設計と安定性
8.3 DSPへの実装

第9章 振動制御問題に関するベンチマークテスト
9.1 ベンチマーク問題
 9.1.1 制御対象
 9.1.2 問題設定
9.2 H∞制御による設計
 9.2.1 乗法的誤差の見積
 9.2.2 重み関数の選択
 9.2.3 一般化プラントの構成
 9.2.4 H∞制御器の計算
 9.2.5 制御系の評価
9.3  D設計法による設計
 9.3.1 問題設定
 9.3.2 加法的誤差の見積
 9.3.3 重み関数の選択
 9.3.4 一般化プラントの構成
  9.3.5 D-Kイタレーション による E設計
  9.3.6 制御系の評価
9.4 スライディングモード制御による設計
  9.4.1 スピルオーバを抑制するスライディングモード制御系の設計
  9.4.2 線形同一次元オブザーバの設計
  9.4.3 制御系の設計に用いたパラメータとシミュレーション結果
9.5 ベンチマークテスト結果とまとめ

第10章 3慣性位置決め制御問題に関するベンチマークテスト
10.1 ベンチマーク問題
 10.1.1 制御対象
 10.1.2 位置制御問題
10.2 H∞制御による設計
  10.2.1 μ補償器設計の一般化プラントと2自由度制御系
  10.2.2 シミュレーション結果
10.3  6設計法による設計
 10.3.1 ディスクリプタ形式による定式化
 10.3.2 μ設計による制御器の導出
 10.3.3 2自由度制御系
10.4 スライディングモード制御による設計
  10.4.1 等価制御系の設計
  10.4.2 超平面の設計
  10.4.3 VSSコントローラの設計
  10.4.4 スライディングモードのロバスト性
  10.4.5 チャタリング対策
  10.4.6 シミュレーション結果
10.5 ベンチマークテスト結果とまとめ

付録/索引/MATLABコマンド索引

内容説明

本書は、制御系設計ソフトウェアとして世界的に普及しているMATLABを用いた制御理論の教科書。特に最近の制御系設計法であるロバスト制御の設計法に関して、設計の立場からその手順を平易に記述している。

目次

第1章 はじめに
第2章 安定化をめざす制御系設計
第3章 評価関数の最適化をめざす制御系設計
第4章 外乱抑制をめざす制御系設計
第5章 H∞制御によるロバスト制御系設計
第6章 μ設計法によるロバスト制御系設計
第7章 スライディングモード制御によるロバスト制御系設計
第8章 離散時間制御系の設計とDSPへの実装
第9章 振動制御問題に関するベンチマークテスト
第10章 3慣性位置決め制御問題に関するベンチマークテスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kouichi Ume

1
制御理論の基礎につづいて読みました。古典制御と現代制御、ポスト現代制御という分野になるのでしょうかとても勉強になりました。ロバストやH∞制御など言葉がでてきていたものの何のために行っているのかがわからなかったところがクリアになった気がしました。僕の理解だとモデル化拾いきれないところを扱う分野だと理解しました。  matlabや演習問題、1章の制御のまとめ、最後の2章が実際設計に似せて書かれているのでとても知識を実際に使えることに重みがおかれているなと感じました。基礎も読み返して知識を定着させたいです。2023/05/11

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