内容説明
北京「陳情村」の報道で知られるように、中国では各政府機関への陳情によるトラブルが頻発している。いったい中国の陳情とは何か。何が原因でトラブルが生じるのか。今後、陳情は中国社会にどのような影響を与えるのか。政治学・社会学・法学の専門家がそれぞれの立場から「陳情」の実態を分析・解説することにより、中国の政治体制や社会構造の特徴の一端を明らかにする。
目次
序章 陳情政治―圧力型政治体系論から
第1章 陳情制度改革と憲政の建設―「陳情条例」改正をめぐる論争
第2章 中国陳情制度の運用メカニズムとその変容
第3章 政治的権利論からみた陳情
第4章 陳情への法的視点―制度の沿革及び規定上の問題点
第5章 労使紛争からみた陳情
第6章 陳情制度をめぐる権利擁護と安定維持の力学
第7章 退役軍人による陳情
第8章 陳情制度のパラドクスと政治社会学的意味
著者等紹介
毛里和子[モウリカズコ]
東京都立大学人文科学研究科修了、政治学博士(早稲田大学)、現在、早稲田大学名誉教授
松戸庸子[マツドヨウコ]
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学、現在、南山大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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