フォア文庫<br> 花の童話集

フォア文庫
花の童話集

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  • サイズ 新書判/ページ数 122p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784494026623
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8293

内容説明

賢治童話の中から、花にまつわる六つの名作をえらんだ1冊です。こよなく花を愛した、いわさきちひろの絵につつまれて、賢治童話の詩情が、みずみずしくよみがえってくることでしょう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

152
秋の夕暮れに露は落ち星はめぐり、色を失った花びらは何色に染まるのだろう。俯く花は空を忘れてしまうのだろうか。葉から雫をこぼし、冷風黒雲通り過ぎ、夢の大虹が空をかける。儚く散る花びらは何処に舞う。"あめなる花を星と云いこの世の星を花という"…今ここに咲く花もその想いを抱き、全ては輝いている。人と人のつながりは時に崩れてしまうけど、自然の織りなす音にまた整い歩き出す。変わらない世界なんてない。今この瞬間を大切に生きよう。宮沢賢治作、いわさきちひろ画、安野光雅装丁、1987年出版本。花を知ることで生き方を知る。2022/09/03

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

148
僕たちは終わりをみつめながら生きている。その流れる欠片たちが、煌めいて夜におちる、日のひかりのなかで虹のように一瞬で姿をかえる。大輪の深紅の薔薇、温室で育てられた胡蝶蘭、愛でられる為に育った花には美しさと切ないようなかなしさを感じてしまう。道端にひっそり咲く白い花、あわい紫のじゅうたん、会えたときの気づいたときの、泣きたいようなあの気持ちはなんだろう。「ほんとうはどんなものでも変わらないものはないのです」「虹さん。私をつれて行ってください。どこへも行かないでください」美しいものを見すぎてずっと泣いていた。2020/07/11

あつひめ

82
あー、なんて美しい表現なのでしょう。自然は色が溢れてる。人が忘れそうになることを宮沢賢治は、忘れてはダメだよとでも言うように書き連ねている。めくらぶどう…どんな物なのか調べてビックリしました。ほんとに虹のように色の粒々が房になっている。虹の儚さ。移ろうものにも命あり。それぞれの立場にならないと理解できない苦しさ、寂しさ、喜びがあると言うことを美しい言葉で表している。言葉の乱れが叫ばれているなかで、美しいいものを見たままに表現するものに触れるのも大事なことのような気がした。点訳したい1冊。2014/11/13

あおさわ

5
宮沢賢治のお花が主人公の童話をいわさきちひろのイラストで読ませてもらいました。かわいらしくも豊潤な表現力。子どもの頃想像した世界が拡がります。とてもいい時間をもらいました。2012/09/13

守宮

1
宮沢賢治はやはり素敵な表現が多い。綺麗な描写だからこそ、ゾクッとくるものがある。綺麗な言葉で汚いことを表す感じがとても好きだ。2014/07/21

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