出版社内容情報
かっぱは人間よりもずっと長生きだ。池にも何百年もすむことになる。おれは、あちこちさがしていちばん気に入ったこの池をすみかに決めた。近くに村があるから、よく子どもたちがのぞきにくる。
ある日、おれは池に落ちた女の子を助けた。女の子の名前は、ちよ。家族とはなれてひとり、この村に疎開してきたという。いまこの国では戦争をしていて、大きな町には爆弾が落とされているらしい。ちよは学校のことをいっぱい話してくれた。ちよは、いっしょに学校にいこうと言ってくれた。学校にも池があるらしい。ところが、雪が舞う季節になって、ちよはぷっつり姿を見せなくなって……。
内容説明
「コケマル。あなたは、これからもここにいてね。子どもたちを見まもってね。ずっと」ちよは、おれの手をぎゅっとにぎった。「わかった。おれはがっこうのかっぱになる。がっこうかっぱだ」
著者等紹介
山本悦子[ヤマモトエツコ]
愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第55回野間児童文芸賞を受賞
市居みか[イチイミカ]
兵庫県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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