出版社内容情報
二年二組のほとんどの人は、まだ、はるかの声をきいたことがありません。家ではちゃんとしゃべれるのに、はるかは学校で話すのがこわくて、すごくはずかしくてできないのです。ある日せきがえで、あきらくんがとなりになりました。二年二組でいちばん元気な男の子です。大きな声のあきらくんが話していることがきこえて、はるかは自分も同じだとおもわず「あっ」と小さく声をあげます。はるかの声がきこえたあきらくんは……。
内容説明
「どうしたの?」「なんでしゃべんないの?」「へーんなの」みんながはるかのことを見ています。はるかのからだは、もっとかたくなってしまいました。(どうしよう…どうしよう?)むねがドキドキしてきました。
著者等紹介
服部千春[ハットリチハル]
京都府生まれ。主な作品に『グッバイ!グランパ』(第19回福島正実記念SF童話賞大賞/岩崎書店)等。日本児童文学者協会会員
さとうあや[サトウアヤ]
千葉県生まれ。さし絵作品、絵本作品など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chimako
74
あきらくん、いい子。はるかちゃんはあきらくんがとなりの席でよかったね。場面寡黙は声を出せない子も辛いだろう。少しずつ少しずつはるかちゃんはお話しできようになるね。小学生の話だけれど中学生に読んであげたい。むねのうちがポッと温かくなるような小さなお話。2020/05/14
☆よいこ
48
児童書。低学年から▽はるかは、病気で入学式に参加できなかったことからクラスになじめず、学校で声を出すことができなくなった。ずっとしゃべらずに2年生になったけれど、ひとりに慣れ、周りもそっとしておいてくれた。ある日、となりの席になった元気な男の子あきらに「なーんだ。声、出るじゃん」と気づかれる。それから、あきらははるかの代わりに手を挙げたり、給食の食べ方に口をだしたり、おせっかいをしてくるようになった。困ってしまったはるかだったが、風邪であきらが休むと寂しくなる。▽緘黙症。やさしいお話。2020/03/04
そら
40
どうしても母親目線で読んでしまう。これでウルっとくるのは歳とったせいかな?子供はどうとらえるんだろう。2020/06/02
chiaki
34
小学校のときクラスにはるかちゃんのような女の子がいました。仲のいいお友だちとは普通に話せるけれど教室に入ると途端に喋れなくなるというそれが、単なる人見知りとか恥ずかしがり屋さんではなくて、場面緘黙症と呼ばれるものだというのには、この本を読むまで気がつかず…。はるかちゃんの側にあきらくんがいたように、昔の彼女にも心の支えになる何かが見つかっただろうか。はるかちゃんが手を挙げて発言する勇気の重さは計り知れないです。それにしてもあきらくん、小2にして既にかっこいい。ゆっくり見守る先生やクラスメイトも温かい。2020/06/12
る*る*る
21
絵のさとうあやさんファンなので手に取る。一年生の時から場面緘黙のはるかちゃん。席替えで隣になったあきらくんがきっかけで話せるようになる。顔を赤くして頑張ってるはるかちゃんにほろっとくる😢優しさが流れている一冊✨2020/02/19