出版社内容情報
20XX年、M8.6の直下型大地震が発生、沿岸部を津波が襲う。母を救えなかった中学生は絶望の底から生きる希望を見出せるのか。
いとう みく[イトウ ミク]
著
宍戸 清孝[シシド キヨタカ]
内容説明
20XX年、首都を襲う大地震発生!中学2年・一弥の日常は一変した。あの日、すべてを失った。それでも生きている。生きよう、共に。ここで、ここから…。絶望の果てに見たひと筋の希望―。
著者等紹介
いとうみく[イトウミク]
神奈川県生まれ。『糸子の体重計』(童心社)で第46回日本児童文学者協会新人賞、『空へ』(小峰書店)で第39回日本児童文芸家協会賞を受賞。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人
宍戸清孝[シシドキヨタカ]
1954年宮城県仙台市生まれ。1980年に渡米、ドキュメンタリーフォトを学ぶ。2004年、日系二世を取材した『21世紀への帰還4』で第29回伊奈信男賞、2005年宮城県芸術選奨を受賞。日本写真協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tan
23
東日本大震災から二十年後の東京で起きた大震災の話。時代背景が今と変わらず東日本大震災と被ってしまい、わざわざ二十年後の東京にしなくても良かったかも。とつまらぬ所で引っかかたものの、写真とともにリアルに感じた作品でした。YA向けですが、登場人物それぞれが抱えた過去も厳しく辛いものがあって、読み応えがありました。たくさんの犠牲があったけど希望の持てる終わり方で良かったです。2017/07/17
さく
21
東日本大震災から20年経った東京を、地震と津波が襲う。不登校の引きこもりだった一弥は、津波警報が出ている中で家の中に閉じ込められた母を救おうとするが、通りすがりの男に無理やり避難させられる。 いとうみくさん、以前読んだ児童書が良かったので内容を知らず手に取ったから、震災を扱っていて驚いた。児童書だからなのか、登場人物の思考とかが薄っぺらい感じがして好きになれず。東日本大震災の写真が要所要所で使われていて、臨場感を出しているんだけど、その構成も苦手だったな。2021/11/29
わむう
21
東日本大震災から24年後、首都圏で大震災が起こる。引きこもりだった一弥は家の下敷きになった母親を助け出そうとするが津波が来た為に片桐に無理やり母親から離されることで命を救われる。母親を見殺しにしたと罪悪感に苦しむ一弥と亡くした息子に面影を重ねる片桐。避難先でさまざまな人と出会い、今度は片桐が生命の危機に陥り危険をおかして助けることを決心する。救われた命を前向きに懸命に生きようとするまでの再生の物語。2017/10/06
みつばちい
16
大好きないとうみくさんの著者でありながら、震災を描いていると知りなかなか勇気が出なくて読めなかった本。いとうみくさんの講演会で、一番思い入れがあるのおっしゃっていたので読めて良かった。東日本大震災から20年後に東京に起きた大地震。引きこもりだった一弥は、たった一人の家族である母をおいて逃げなくてはならなかったことを悔い、自分を無理やり避難させた見ず知らずの片桐に憎しみを抱く。片桐とともにとある会社の建物に避難し、そこで何人かの他人とともに過ごす。2019/04/11
izw
16
いとうみく8冊目。東日本大震災から10年、東京湾を震源とする大地震が発生し、東京湾沿岸に大津波が押し寄せるという設定。将来の設定だが、今東京近辺で津波が発生したときの状況を念頭においているのだろう。地震発生当日まででひきこもりだった中学生の変化を描いている、考えさせられる作品である。2016/06/28