著者等紹介
齊藤飛鳥[サイトウアスカ]
1982年神奈川県生まれ。上智大学文学部史学科卒業。在学中、日本児童文学者協会通信講座で村山早紀に師事
佐竹美保[サタケミホ]
1957年富山県生まれ。高岡工芸高校デザイン科卒業。雑誌「奇想天外」でイラストレーターとしてデビュー。以後SFやファンタジーの挿絵を中心に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
深青
23
ちょっと斜に構えた(だいぶかもしれない…)少年が、一人の不思議な魅力を持った探偵と出会う。何か事件が起きて、それを冒険あって解決というお話ではなく、イジメや理不尽さ、子供社会の複雑さを描いたお話になっているような。現代社会においても、探偵のような優しい大人が一人でも多く子供達の側にいればいいなぁと思う。出てくる甘味が美味しそうなんだよね…食べたくなるなぁ。2015/12/08
スイ
10
一人称の語りからハードボイルドな小学生鯱彦が 格好だけはハードボイルドな「へなちょこ」探偵にじゅうよじと出会う。 事件は起こるし解決もするのだけど、推理ものではない。 大人も子どももほとんど信用できず、学校も学童も居場所と思えなかった鯱彦。 コミカルな作風だが、書かれていることはなかなかにシビア。 子どものサードプレイスは必要だと、私も思っている。 にじゅうよじのキャラクターが良かった。2021/08/25
7petit
6
おもしろい!小学生だってツラいよね。でも、ありのままの自分をストンと受け止めてくれる大人、居心地よい場所があれば救われる。へなちょこという言葉にまんまとだまされました!主人公の独特な語り口調、改行がないぎっしり感が、読むハードルを高くしてしまっている印象あり。トラブルを起こした子どもたちのその後が描かれていないのも残念。でも読み手を引っ張るパワーがある本です!佐竹さんの絵も素敵!高学年さんに。2016/02/18
読書国の仮住まい
2
小学五年生の鯱彦は通っていた学童保育を、いじめの言いがかりで断られてしまう。 商店街を歩いていて、落ちてきた帽子を拾ったことをきっかけに探偵と知り合いになる。 廿余寺れいじ、所長にして唯一の社員。 鯱彦はへなちょこと呼ぶが、事件はしっかり解決している。 登場人物が大人、子供問わず結構アレな人が多い。 扱っている事件も器物損壊、クレーマー、万引き、ひったくりと犯罪行為が多い(一つだけ初恋の人探しもある)。 事件の後味も良くないイヤミス。 子供が選ぶうつのみやこども賞を受賞したというが、よくこれを選んだなと。2021/08/24
kyonkyon
2
主人公の鯱彦くん、小学5年生にしては大人でやや冷めてるなー、という気がしないではないです。でも、探偵のれいじさんがその分お茶目で、いいバランスです。学校の大人や友達に愛想をつかし、自分の価値に自信を無くす鯱彦に、世界は家と学校だけではなく、ちゃんと自分を見ていてくれる人がいて、自分の居場所があるということに気づかせてくれたのが、へなちょこな探偵さん。こんな大人が近くにいたら安心ですね。2019/12/07